秘書といえば、上司と行動を共にして仕事をするイメージを持つ方も多いと思いますが、自宅とのリモートワークで上司のサポート全般を行う「在宅秘書」という働き方もあります。
しかし、「自宅で上司のサポートをする」と聞いても、「どうやって仕事のやり取りをするのか?」ピンと来ない人もいるでしょう。
そこで今回は、「在宅事務」の働き方や仕事内容、在宅事務の仕事をするために必要な資格やスキル、求人募集の探し方など解説しています。
在宅秘書とは経営者やフリーランスの事務サポートをする仕事
在宅秘書とは、経営者やフリーランスとして仕事をしている方の「事務作業全般のサポート」をする仕事です。
雇用主は、中小企業の社長や個人事業主、フリーランスの方がメインです。
事業が忙しくなるにつれ、当初は自分で行っていた事務作業にまで手が回らなくなり在宅事務を雇うケースが多いです。
個人事業主やフリーランスが、常勤の正社員ではなく在宅秘書を雇うのは、
- 事務所を構えていないため常勤の秘書や事務員を雇えない
- 必要な作業やタスクのみ外注したい
- 交通費や社会保険などの人件費を削減したい
- 在宅秘書に業務を任せて空いた時間を新たな業務へ当てたい
といった理由からです。
在宅秘書の雇用形態は、雇用契約を結ばない報酬制の「業務委託」が多くなっています。
雇用主の仕事は、コンサルタント、エンジニア、デザイナー、ライター、税理士、美容師など多岐にわたります。
在宅秘書の勤務時間
在宅秘書の勤務時間は、雇用主の勤務時間に合わせるのが通常です。
9時~16時、10時~17時など一般的なオフィス業務と同じ時間帯の求人が多いですが、1日3~4時間の週3日といった時短勤務の求人もあります。
また、フルタイム勤務であっても、仕事の進捗具合によっては、子どもの学校行事や私用のために外出したり中抜けすることも可能です。
さらに、在宅秘書はチームを組んで行うことが多いため、子どもの発熱などで仕事ができないときは、他のスタッフに業務を引き継いでもらうこともできます。
業務時間中はこまめにメールチェックができ、チャットや電話にも対応できるようにしておく必要はあります。
しかし、スマホがあれば外出先からでもメールやチャットでの対応はできるため、一日中パソコンの前に張り付いている必要がないのが、在宅秘書のメリットであり大きな特徴です。
在宅秘書の仕事内容と働き方
在宅秘書の仕事は、雇用主の業務内容によって異なりますが、基本的には、雇用主をサポートする「事務作業全般」となります。
- 顧客からの問い合わせ対応
- スケジュール管理
- 請求書や領収書の発行
- 資料作成
- ブログやSNSの代理投稿
- 商品や郵便物の発送
- 出張の交通手段や宿泊先の予約
雇用主が美容師であれば、予約の受付・管理やダイレクトメールの発送業務を行うこともありますし、コンサルタントの秘書であれば、プレゼン資料の作成やセミナー会場の手配、参加者の名簿作成や連絡業務なども行います。
雇用主との連絡は、メール、チャット、電話のほか、パソコン内蔵または外付けのカメラを使い、顔を合わせながらすることもあります。
また、ときには複数のスタッフとWEBミーティングを行うこともあります。
在宅秘書に必要な資格やスキル
在宅秘書をするために特別な資格は必要ありませんが、以下3つのスキルを必須条件している企業も多いです。
在宅秘書は、パソコンを使用した仕事が大半なので、ワードやエクセルはもちろん、これまで使ったことがないソフトやツールでも苦手意識を持たずに使えることが必要となるためです。
また、リモートワークを行う上でWEBミーティングツールの使用は不可欠なので、WEBカメラの使用にも対応できる人でないと採用は難しいでしょう。
現在販売しているノートパソコンであれば、ほとんどの商品にWEBカメラが初期搭載されていますが、古いノートパソコンやデスクトップパソコンの場合は購入する必要があります。
「ビッグカメラのウェブカメラ人気売れ筋ランキング」のページをみると最安値で1,000円台、高額商品になると10,000円を超えてくる金額で販売されていますが、特別なこだわりがなければ1,000円台の商品で十分使えます。
なお、上記に挙げた3つのスキル以外にも、これまでに一般事務や営業事務といった事務職やアシスタントなどの経験者は採用されやすくなります。
秘書経験は必須ではなく未経験者OKの求人がほとんどですが、中には経験者優遇で求人募集している企業もあります。
- 事務職の経験
- 秘書の経験
- 電話応対・コールセンターの経験
在宅秘書がおすすめの人
性格や資質としては、以下のケースに当てはまる人が在宅秘書にはおすすめです。
- 管理されなくても業務をこなせる真面目で責任感のある人
- 自分で問題点や改善点を見つけて動ける自主性のある人
- 臨機応変に対応ができる人
- こまめに連絡が取れる人
- 社会常識やビジネスマナーが備わっている人
自宅で仕事を行う在宅秘書は、誰からも管理されることがありません。
誰から観られていなくてもサボることなく自分を律し、計画性をもって業務をこなせる真面目で責任感のある人が向いています。
また、在宅秘書は困ったときには連絡を取り合えるチーム制で仕事をすることが多いとはいえ、会社で仕事をするのとは違い、分からないことをすぐに隣の先輩に聞いて解決することはできません。
そのため、疑問点は自分で積極的に調べる、分かる人に相談するなど自主的に動けることも大切な資質となります。
さらに、上司や同僚のスタッフ、顧客と良い関係を築きながら仕事を行うためには、社会人としての常識やビジネスマナーが備わっていることも重要なポイントとなります。
在宅秘書の報酬は時給1,000~1,200円が相場
在宅秘書の報酬は、「月給制」または「時給制」となります。
月給制の場合、フルタイムか時短勤務かによって給料に差がありますが、時給制の場合は1,000~1,200円程度が相場です。
たとえば、時給1,000円で毎日5時間、土日休みで月22日間稼働した場合の月収は11万円となります。
- 時給1,000円
- 平日10時~16時(1時間休憩/実働5時間)
- 月稼働22日
さらに、英語が堪能、翻訳ができる、経理の経験がある、WEBデザインができるといったプラスアルファのスキルや経験があれば、上記を上回る時給も得られます。
在宅秘書の求人募集の探し方
在宅秘書の求人募集は、「在宅秘書代行会社」または「クラウドソーシングサイト」で見つかります。
クラウドソーシングサイトで在宅秘書の仕事を探す
クラウドソーシングサイトとは、インターネット上で「仕事を依頼したいクライアント」と「仕事をしたいワーカー」を仲介してくれるサイトで、主に在宅でできる仕事を扱っています。
クラウドソーシングで募集中の仕事内容はデータ入力・アンケート・ライティング・Webデザインなどさまざまですが、そのなかに在宅秘書の仕事もあります。
長期雇用を希望している企業も多いので、単発ではなく同じ会社で長く働きたい方のお仕事探しにもおすすめです。
例えばクラウドソーシングサイト「クラウディア」であれば、在宅事務・秘書などの求人募集ページの検索ボックスで「秘書」と検索することで簡単に探せます。
クラウドソーシング・スキルシェア【Craudia(クラウディア)】
在宅秘書代行会社で仲介してもらう
在宅秘書代行会社とは、在宅秘書として働きたい方を「オンラインアシスタント」「オンライン秘書」「オンラインアシスタント」といった形で募集し、在宅秘書を雇いたい個人事業主やフリーランスの方との仲介をしてくれる会社です。
就業する際には、書類選考や実技試験(筆記試験や課題レポートの提出)、面接などを行います。
在宅秘書代行会社を介して仕事を受ける場合、何人かでチームを組んで仕事をすることも多いため、子どもの学校行事や発熱などで仕事ができない場合に他のスタッフからのフォローが得られるケースもあります。
まとめ
- 「妊娠や出産のために仕事を辞めたものの、子どもに手がかからなくなったのでまた仕事を始めたい」
- 「事務の経験を活かせる仕事をしたい」
- 「仕事はしたいが、子どもの学校行事や習い事の送り迎えがあってフルタイム勤務をするのは難しい」
そんな方にとって、自宅で仕事ができる在宅秘書の仕事はとてもおすすめです。
単純な事務作業とは違い、自主性や責任感、仕事を効率よく進める工夫や努力を惜しまない資質などが求められますが、子どもがいてもバリバリ働きたきたいという人にはピッタリの仕事です。
興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。