- 自宅で開業できる仕事にはどんなものがあるの?
- 自宅開業するには何から始めればいいの?
- 開業資金はどれくらいかかる?
自宅開業に興味があっても、分からないこと、不安なことも多いと思います。
そこで今回は、自宅で開業できるおすすめの仕事や自宅開業の方法について解説していきます。
また、実際に自宅開業をした44名に行った「自宅開業のメリット・デメリット」についてのアンケート結果も紹介しています。
自宅開業を検討している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
自宅で開業できるおすすめの仕事
自宅でも開業できる仕事には色々なものがありますが、おすすめは以下の5つです。
- 美容系・リラクゼーション系サロン
- 自宅教室
- 専門資格業(士業)
- インターネットビジネス
- 自宅ショップ
それぞれの仕事のおすすめポイントを紹介します。
【1.美容系・リラクゼーション系サロン】美容に関する仕事経験者の主婦や女性におすすめ
- ネイルサロン
- エステサロン
- アロママッサージサロン
- ヘアサロン
エステティシャンをはじめとする美容系の仕事経験者の場合、美容系やリラクゼーション系サロンは、女性の自宅開業としておすすめ選択肢のひとつとなります。
自分が元々持っていた知識や経験を活かせることは当然として、施術用のベッドやソファ、美容マシンなどを置けるスペースさえあれば、自宅開業することは難しくありません。
実際、大手サロンなどで優秀な成績を上げていた女性が独立して自宅で個人サロンを立ち上げるケースも多いです。
美容関係の仕事経験がなかったとしても業種によっては、未経験の方でも短期間で資格が取得できるものもあります。
結婚や妊娠・出産を機にサロン系の仕事を辞めている女性も多いと思いますが、自宅サロン開業を機に出産後の仕事復帰するうえでもおすすめですね。
【2.自宅教室】趣味や特技を活かせる
- 料理教室
- 音楽教室
- カメラ教室
- パソコン教室
などの自宅教室も開業におすすめです。
好きなこと、趣味、特技が収入につながるため、自分自身も楽しみながら仕事ができるからです。
自宅教室は自分の都合に合わせてレッスン日を設定できるので、子育て世代の主婦や、本業の休日を利用した副業を考えている人にもおすすめですよ。
【3.専門資格業(士業)】独立開業を目指せる
難易度の高い資格が必要なものが多いですが、独立開業しやすいという点で「専門資格業(士業)」もおすすめです。
- 中小企業診断士
- 税理士
- 行政書士
- 社会保険労務士
- 不動産鑑定士
士業は国家資格の職種が多く、信頼度が高いため、資格があれば開業することが可能だからですね。
独立開業が軌道に乗れば、年収1,000万円超えも珍しくなく、自宅で開業する仕事の中でも特に稼ぐことができます。
【4.インターネットビジネス】初期費用0円で開業できる
インターネットビジネスは、パソコンとインターネット環境があれば、初期費用をほとんどかけずに始めることができます。
また、始める際に必須の資格やスキルもありません。
インターネットビジネスには色々な種類がありますが、代表的なものではアフィリエイター、WEBライター、ネットショップ運営などがあげられます。
万が一事業に失敗しても損失が大きくなりにくいので、開業リスクに不安がある人でも始めやすいのがメリットです。
インターネットビジネスの場合、いきなり独立開業せずとも、クラウドソーシングサービスを使った副業からのスタートもおすすめです。
インターネットでできる多くの求人情報が掲載されているため、あなたができそうと思える仕事も多く用意されているからですね。
いくつかの仕事をしていく中で、仕事の取り組み方を覚えてから独立開業するのも一つの方法といえます。
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【5.自宅ショップ】自分のお店がもてる
自宅で開業するショップには、仕入れた商品を販売する方法と、手作りの商品を販売する方法があります。
- アクセサリーや雑貨
- 多肉植物
- アパレル・服飾品
- ハンドメイド作品
- 食器
店舗を構えて開業するのはハードルが高い人でも、自宅ショップであれば初期費用が抑えられるので開業資金があまりない人でも自分のお店をもつことができますよ。
自宅開業に必要な資金
では、前章でおすすめした5つの仕事について、目安の開業資金を紹介していきます。
自宅開業するジャンル | 開業資金の目安 |
---|---|
美容系・リラクゼーション系サロン | 40万円~ |
自宅教室 | 0円~ |
専門資格業(士業) | 50万円~ |
インターネットビジネス | 0円~ |
自宅ショップ | 10万円~ |
開業資金の主な内訳は以下の5つとなります。
- 自宅の改装費
- 設備費用
- 備品
- 広告費
- 仕入れ代
教室やインターネットビジネスは、自宅にあるものだけで開業できるケースもあるので、開業資金がない人でもスタートしやすいジャンルです。
例えば、ピアノ教室をやりたい場合ですでにピアノがある場合や、ウェブサイトを起ち上げたい場合でパソコンがある方であれば、0円で開業することも可能です。
サロンや自宅ショップは、内装や取り扱う商品によって開業資金が膨らむため、開業のために数百万円かかるケースもあります。
専門資格業(士業)の場合は、登録費用の負担が大きいです。
例えば、税理士だと「日本税理士会連合会」の登録料(登録料5万円、登録免許税11万円)や、税理士会への入会金(入会金約4万円、年会費約10万円)が必要で、最低でも30万円が必要です。
また、開業後すぐに利益が出るわけではない、ということも考えておかなければなりません。
仕事が軌道に乗るまでの数ヶ月分の生活費、また、借り入れをしている場合は、当面の返済資金や利息を用意しておく必要もあります。
自宅開業する方法
自宅開業の基本的な方法は以下の流れとなります。
ただし、ジャンルによって自宅開業の流れは異なります。
ジャンルごとに、自宅開業の方法を詳しく見てみましょう。
サロン系の自宅開業の流れ
- ターゲットを決める
お客の年齢層や職業、どのような悩みを解決するかなどターゲットを絞る - 営業日時を決める
営業時間や曜日などを決める - 商材を準備する
サロンで利用する商材選び - メニューや価格を決める
- 自宅の部屋の準備
内装の改装や設備の準備を行う - 開業届を出す
教室系の自宅開業の流れ
- どのような教室にするのか理念や方針を決める
- 集客のためのマーケティング
周辺をリサーチしてターゲットを絞る - メニューを決める
内容や料金設定など - 備品などの準備
教室で使用する備品やテキストを準備しましょう - 生徒の募集を行う
- 開業届を出す
専門資格業(士業)の自宅開業の流れ
- 経営理念を決める
- 経営戦略や経営計画を立てる
- 資金調達を行う
事業計画を作成し取引銀行から資金調達を行いましょう - 設備を整える
事務所で使用するパソコンや周辺機器、来客用の机やイスを準備する - 各種届出を行う
各士業によって必要な届出があるので確認してください
インターネットビジネス系の自宅開業の流れ
- どのようなビジネスを行うのか決める
- パソコンやインターネット環境を整える
- 開業届を出す
自宅ショップの開業の流れ
- どのようなショップを経営するのかコンセプトを決める
営業時間や曜日なども決める - 必要な資格があれば取得する
リサイクル品を扱う場合は古物商許可申請が必要です - 商品の仕入れ・商品の製作
展示会や海外に買い付けに行くなどして商品を仕入れる
ハンドメイド品を販売する場合は商品を製作する - 備品の準備
ショップ袋や値札、レジなど
ネットショップはサイトを製作する - 集客する
SNSや広告で集客する - 開業届を出す
自宅開業には開業届が必要
自宅開業する場合、開業届が必要です。
なぜなら所得税法で、事業を開始した1ヶ月以内に管轄の税務署に開業届を提出しなくてはいけないからですね。
しかし、「開業届を必ず提出する必要はない」という情報をインターネット上で見かけることがあります。
開業届は出さなくても罰則がないため、実際に出さずに自宅開業をしている人も存在します。
開業届を出せば、
- 青色申告ができるため節税効果がある
- 職業を証明するときに使える
- 開業届を出すと事業が成功する傾向にある
といったメリットがあるので、期限内に提出することをおすすめします。
経験者44人に聞いた自宅開業のメリット
自宅開業の経験者44人に「自宅開業のメリット」のアンケートを取ったところ、以下の回答が得られました。(※複数回答)
順位 | メリット | 回答者数 |
---|---|---|
1位 | 時間の自由度が高い | 12人 |
2位 | 通勤がない | 10人 |
3位 | 家賃がかからない | 8人 |
4位 | 初期費用が抑えられる | 7人 |
5位 | 仕事と家庭の両立が可能 | 5人 |
それぞれのメリットについて詳しく見てみましょう。
時間の自由度が高い
自宅開業は、時間の自由度が高いというメリットがあります。
なぜなら、営業時間や就業時間などを自分で決めることができるからですね。
仕事の時間を自分で決めることができれば、プライベートの自由時間もきちんと確保することができます。
出社や通勤がない
自宅開業することで出社や通勤がないというメリットがあります。
自宅が仕事場なので、わざわざ店舗や事務所に通う必要がなく、通勤に時間を割かなくても済みます。
通勤がなければ、通勤のための交通費もかかりませんし、通勤ラッシュで疲れてしまうこともありません。
店舗や事務所の家賃がかからない
自宅開業は店舗や事務所の家賃がかからないメリットがあります。
店舗や事務所を構えるとなると、毎月の賃料負担は結構な負担となりますが、自宅開業なら家賃は一切かかりません。
自宅が賃貸の場合は、一部の家賃を事業に必要な経費計上することもできますよ。
ただし、事務所家賃として経費計上する場合は税理士へ事前相談することをおすすめします。
自宅の中でもどこからどこまでがプライベートで、どこからどこまでが事務所なのかをハッキリさせる必要があるためですね。
自宅の家賃すべてを経費計上するのはNGです。
開業当初はともかく、何年も自宅経営を続ける中で税務調査が来るケースもあります。
税務調査に来た調査員が「事務所経費として計上しすぎ」と判断すると、何年にもさかのぼってまとめて税金を支払わなくてはいけなくなります。
まとまった金額を支払わなくてはいけいうえに延滞税もつくため場合によっては廃業に追い込まれてしまう場合もあります。
初期費用が抑えられる
自宅開業は初期費用を抑えることが可能です。
店舗や事務所を構える場合、家賃以外にも初期費用として、入居時の保証金や手数料が必要になります。
しかし、自宅開業なら店舗や事務所を借りる必要がないので、保証金や手数料なども一切必要ありません。
また、自宅にあるものを利用して初期費用を抑えることもできます。
例えば、料理教室を開業する場合を例に見てみると、調理器具やテーブル、イスなどは自宅にあるものを利用することができますよ。
開業したいけれど、できるだけ初期費用を抑えたいという人には、自宅開業はおすすめです。
仕事と家庭の両立が可能
自宅開業なら、仕事と家庭を両立できるメリットがあります。
- 子供を見ながら仕事ができる
- 家族との時間が取りやすい
- 家庭の事情に関係なく働ける
といった理由がありからですね。
特に家事・育児を両立させたい主婦や子育て中のママには大きなメリットとなっています。
来客対応の必要があるサロンや教室の場合でも、お客様が事前に納得していてもらえれば両立可能です。
経験者44人に聞いた自宅開業のデメリット
では反対に、自宅開業のデメリットを見ていきましょう。(※複数回答)
順位 | デメリット | 回答者数 |
---|---|---|
1位 | 私生活と仕事のメリハリがない | 10人 |
2位 | 集客が難しい | 9人 |
3位 | プライバシーの問題がある | 7人 |
それぞれのデメリットについて詳しく見てみましょう。
私生活と仕事の切り分けが難しい
自宅開業には、私生活と仕事の切り分けるのが難しいため、いつでも仕事のことを考えてしまうデメリットがあります。
自宅で仕事をしているため、公私の切り替えタイミングをつけづらかったり、公私混同をしてしまう恐れがあったりしますね。
私生活と仕事の切り分けができなくてメリハリがない結果、「プライベートを優先させてしまいがち」「ダラダラして仕事がスムーズにできない」と回答した人もいました。
集客が難しい
自宅開業は集客しにくいというデメリットがあります。
なぜなら、
- 住宅地にあるため目立たない
- 飛び込みのお客さんが来ない
- 住所がバレてしまうので広告を出すことができない
といった自宅開業ならではの理由があるからですね。
テナントなら、良い立地で開業することもできますし、飛び込み客や広告を打って集客することも可能です。
しかし、自宅開業は集客方法を考えておかないと、経営がうまくいかなくなる可能性大です。
プライバシーの問題がある
自宅開業にはプライバシーの問題がつきものです。
自宅で営業するため、不特定多数の人に自宅の住所がバレてしまいます。
また、サロンや自宅教室、自宅ショップの場合は、人を家に入れることになり、プライベートな部分を見られてしまう可能性もあります。
プライバシーを守りたい人には、基本的に自宅開業はおすすめできませんが、来客がない業種であれば、バーチャルオフィスを借りることもおすすめです。
バーチャルオフィスとは、その名の通り仮想事務所となります。法人登記も問題なくできるし、荷物の受け取りや電話代行もオプションとしてついています。
実際、ネットショップ運営者で活用している人も少なくありません。
※参考⇒ バーチャルオフィスのメリットとデメリットについてのまとめ
開業前に準備しておきたいおすすめのネット集客方法
「お店をオープンしたけど全然お客さんが来ない・・・」
自宅開業したものの、お客様が来ないことに悩んでいる人も多いです。
開業してからお客様が来ないと焦らないためにも、集客のことを考えて開業前から準備しておきましょう。
結論から言うと、インターネットからの集客がおすすめです。
なぜなら、インターネット上には無料でできる集客方法があるからですね。
いくつかある無料の集客方法の中でも以下5つの集客方法をおすすめします。
無料ブログ | アメーバブログ、はてなブログ、ライブドアブログなど |
---|---|
SNS | フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなど |
無料ホームページ | WIX、Jimdo、ペライチなど |
You Tube | 屋号名・ブランド名のYou Tubeチャンネルを作る |
Googleビジネス プロフィール | Google検索結果の上位に出てくる |
中でも店舗運営をするのであれば、Googleビジネス プロフィールは登録必須です。
Googleの検索結果の一番上に店舗情報が差し込まれて集客効果が大きいからですね。
なお、ブログやSNSをダラダラと見続けないように注意しましょう。
仕事のためにインスタグラムを開いたのにダラダラ見続けてしまう人も多いです。
いつの間にか1時間~2時間も経ってて、その間は何も仕事をしていなかったとなっては経営にも支障が出ます。
まとめ
自宅で開業できる仕事は、未経験者でも始められる仕事から国家資格が必要な仕事まで幅広いです。
どんなジャンルの仕事であっても、
- 時間の自由度が高い
- 通勤の必要がない
- 家賃が不要
- 初期費用が抑えられる
- 仕事と家庭の両立ができる
といったメリットが自宅開業にはあります。
ただし、公私のメリハリがつけにくく、家バレなどプライバシーの問題や集客がしにくいといったデメリットもあります。
自宅開業を検討している人は、メリット・デメリットを理解した上で、開業を目指してくださいね。
当記事の監修者からのコメント
起業には当然リスクもあり、多くのデメリットもありますが、自分の提供するサービスに多くのお客さんが喜んでくれることは本当に幸せなことです。
今の時代はインターネットを使って、自宅で初期投資をかけることなく事業をスタートできる素晴らしい時代。
サラリーマンをしながらの複業でもいいですし、できるだけリスクを最小化しつつ、1度きりの人生を後悔しないために思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
記事監修者(土本真也氏)の自己紹介
株式会社ワンストップビジネスセンター 代表取締役
全国30拠点以上でバーチャルオフィスの「ワンストップビジネスセンター(https://www.1sbc.com/)」を運営し、創業10年で述べ12,000社以上の起業家やフリーランサーが利用。
自身も20代より起業しており、国内外で新規事業や会社立ち上げの経験が豊富なため、いつも起業家やフリーランサーの独立や経営の相談に乗っている。