ブログに掲載していた主力記事の検索順位が低迷してしまったとき、どうしますか?
そのままお蔵入りさせて新しい記事を作成する手もありますが、その前に記事の書き直し(リライト)を検討しましょう。
リライトの際、検索エンジンで上位表示されるような施策(SEO対策)を意識すれば、少ない工数で効率的に記事の閲覧数を増やせる可能性があります。
同じテーマの記事をゼロから作り直すよりも、リライトのほうが短時間で作業が終了するためですね。
ただし、リライトの方向性が悪いとユーザーにとって有用な記事にならず、検索アルゴリズムから評価されません。
本章では、リライトで記事作成するときの「具体的な手順」「コツ」「得られるSEO効果」「注意点」をご紹介します。
リライトでの記事作成とは、より質の高い記事になるよう手直しをして再投稿すること
リライトでの記事作成とは何を意味するのか簡潔に説明すると、より質の高い記事になるよう手直しをして再投稿することです。
リライトを行う理由は、記事を投稿してから日が経つにつれ、より質の高い競合ページに埋もれて検索順位が下がっていくからですね。
検索順位が下がってしまう原因には以下の2つが挙げられます。
- 記事の情報が古くなっていく
- 検索アルゴリズムのアップデート
ひとことで表現すると、記事を読んだユーザーが得られる体験(ユーザーエクスペリエンス、UX)の質と密接に関連します。
記事の情報が古くなると検索順位が下がってしまう
投稿されてから日数が経ち情報が古くなると、記事の検索順位が下がってしまいます。
なぜなら、インターネットユーザーがWebコンテンツに求めているのは最新の情報だからです。
例えば、「【最新】スマートフォンのおすすめ機種○選」という記事の日付が1年前だったら、3日前に発表された最新機種の情報を探しているユーザーはリンクに手が伸びず、閲覧回数は伸びなくなるでしょう。
また、知らないうちに記事内に貼ったリンクが切れてしまったり、記事内でオススメしていたお店や会社がなくなってしまったりすることで、ユーザーに正確な情報を提供できなくなるケースもあります。
記事が古くなるときの問題をまとめると、書かれた内容がユーザーの求める最新情報ではなくなったり、不正確さを含むようになった結果、記事の検索順位の低下へとつながります。
検索アルゴリズムのアップデートで検索順位が下がってしまうこともある
ユーザーが検索を始めてから期待した情報を見つけるまでのユーザー体験(UX)の質を向上させるため、検索エンジンは定期的に検索アルゴリズムのアップデートを行います。
検索アルゴリズムのアップデートが原因で検索順位が下がってしまうこともあります。
なぜなら、検索アルゴリズムのアップデートによって記事の評価基準や点数の比重が変わるからですね。
Googleの検索アルゴリズムで例を挙げると、2011年2月のパンダアップデートによってコンテンツの質に重点がおかれ、「人ではなくソフトウェアが自動生成した記事」「不適切な広告を含むコンテンツ」「無断のコピーペーストで複製された記事」などはペナルティを受けるようになりました。
また、Googleは2021年6月、7月にかけてアルゴリズム根幹にあたるコアアルゴリズムの更新を行っています。
これは大型のアップデートを段階的に実施しているもので、6月に順位変動したコンテンツが7月のアップデートで元に戻るケースもあるとのことです。
Google公式の最新情報をチェックして、検索アルゴリズムのアップデートに備えましょう。
Google 検索セントラル ブログ
リライトで記事作成する手順
リライトで記事作成を行う手順は大きく分けると下記の通りです。
- リライトする記事の選定、競合調査
- 書き直し作業(リライト)
- ツールを用いてリライト前後の記事を比較評価する
順番にご説明していきます。
リライトする記事の選定、競合調査
まず検索順位を改善したい記事を選ぶとともに、その競合記事を調査しましょう。
リライトで順位が上がる余地があるものはどれか見当するとともに、競合となる記事を調査し、リライトする元記事に足りない要素や差別化の余地がないかを考えましょう。
ただし競合の内容に引っ張られて内容が酷似してしまわないようにご注意ください。
候補となる記事とその競合を見比べて、リライトすべき記事を選定したら、元記事の要点と編集すべき点を洗い出しましょう。
書き直し作業(リライト)
事前調査を入念に行ったら、リライトに移りましょう。
ただし、そのまま残す予定の箇所も入念にチェックし、誤字脱字や無効なリンク、間違った情報があれば必ず修正しましょう。
特に、「将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に影響を与える可能性のあるページ、トピック」(YMYL、Your Money or Your Life)での権威、信頼性(E-A-T)は厳密にチェックされているので、信頼性の低いページから誤った情報を引用していないか十分注意しましょう。(参考:YMYLとは?Googleがより高い質を求める領域について解説)
さらに、リライト中の修正箇所はWordの「変更履歴」機能などを用いてトラッキングしておくのがおすすめです。
なぜなら、最後に比較評価をする際、どの修正箇所が影響を及ぼしたのかを追跡できるからです。
ツールを用いてリライト前後の記事を比較評価する
リライトが完了したら、ツールを用いてリライト前後の記事を比較評価しましょう。
もしリライト後に競合記事との類似度が上昇していたりした場合は、検索アルゴリズムからコピーペーストを疑われる恐れもあるので再度リライトを加えましょう。
※参考⇒ 記事作成でコピペは厳禁!無料で使えるコピペチェックツールも合わせてご紹介
リライトで記事作成するときの3つのコツ
リライトで記事作成するときのコツをひとことで説明すると、「どうすればユーザーにとって有益なコンテンツだと評価してもらえるかを考えること」です。
なぜなら、大手検索アルゴリズムが第一に評価するのはユーザー体験(UX)の質だからですね。
ユーザーにとって有益なコンテンツだと評価してもらうために必要なことを具体的に挙げると、下記の3つに大別されます。
- ユーザーの検索ニーズを満たす
- ユーザーが求めている情報にリーチしやすいよう利便性を高める
- 検索アルゴリズムが記事を検出し、内容を理解しやすいよう工夫する
以下で1つずつ解説していきます。
4つの検索意図の中からひとつ以上の検索ニーズを満たす
ユーザーの検索意図は大きくわけて4つあると、Googleが発表しています。
- 「知りたい」意図の「Knowクエリ」
- 「行きたい」意図の「Goクエリ」
- 「やってみたい」意図の「Doクエリ」
- 「買いたい」意図の「Buyクエリ」
※参考⇒ 4 new moments every marketer should know
上記にあげた検索意図のどれかひとつ以上の検索ニーズを満たす記事作成が大切です。
なぜなら、訪問してきたユーザーが求めている情報が記事の中になければ、ユーザーにとって有用な記事とは言えないからですね。
たとえば、広く浅く関連情報を列挙するよりは、特定のキーワードについて掘り下げ、専門性のあるコンテンツを作成した方が高く評価されます。
例)
- ✕:クラウドソーシングについての解説
- ○:クラウドソーシングを始める前に知っておきたい7つのコツ
逆にアクセス稼ぎ狙いで、単純なキーワードの羅列記事は、質が低いコンテンツと見なされペナルティを課されるので注意しましょう。
リライトしている記事のターゲット層の検索意図を考え抜いて、特定の分野について掘り下げた内容にすることで検索ニーズを満たす内容を盛り込みましょう。
ユーザーが求めている情報にリーチしやすいよう利便性を高める
記事の内容を充実させたら、ユーザーが求めている情報にリーチしやすいよう利便性を高めましょう。
記事を開いてから目的の情報を見つけるまでの間に不便さ・ストレスを感じると読む気が失せて、離脱してしまうからです。
例えば、スマホアプリの使い方に関する記事をスマートフォンの画面で開いた時に、解説文やスクリーンショットが画面からはみ出ないよう調整することで、ユーザーにとっての利便性が高まると言えます。
また、どのブラウザでも問題なく記事を開けるようにすることで、快適なUXが実現できますね。
さらに、検索上位に列挙されている記事の多くは、記事の見出しを用意したり、重要な箇所をハイライトで強調したりすることで、ユーザーが求めている情報へ効率的にリーチできるように工夫しています。
ユーザーが記事の中で快適に情報収集できるように、利便性を向上させましょう。
検索アルゴリズムが記事を検出し、内容を理解しやすいよう設定する
記事の内容と利便性を高めたら、最後に検索アルゴリズムが記事を検出し、内容を理解しやすいように適切な設定を行いましょう。
検索アルゴリズムが自動で記事を巡回(クロール)できるような設定にしておかないと、内容が理解されず不当に低い評価を受けるおそれがあるからです。
例えばGoogleのウェブマスター向けガイドラインでは、
- 記事内のリンクがクロールされるように、href 属性を含む<a> タグにする
- Google がサイトのコンテンツを完全に把握できるよう、ページの把握に影響する CSS や JavaScript ファイルがすべてクロールされるように設定する
といった条件が挙げられています。
リライトでタグを編集する際は、ガイドラインを踏まえて検索アルゴリズムが記事の内容を把握できるよう適切に設定しましょう。
リライトで記事作成をして得られるSEO効果3つ
リライトで記事作成をして得られるSEO効果には、主に次の3点が挙げられます。
- 最新の情報に更新されてユーザーにとっての価値が向上する
- ユーザーにとって不利益だと見なされた部分を修正することで、検索アルゴリズムからの評価が向上する
- わかりやすい構成にすることで、検索アルゴリズムが内容を正確に把握できるようになる
3つともこれまでの項で触れてきた通り、UXや検索アルゴリズムを意識することで得られる効果ですね。
またリライトで得られるメリットを挙げるとすると、元記事を題材にし、元記事を比較対象とするため、1から執筆するより効率よくSEO効果が見込める点です。
さらに記事作成業務をライターへ外注する際も、1から執筆するよりリライトの方が工数が少ないため、より安価に記事作成できますよ。
まとめると、リライトで記事作成をすることで、様々なSEO効果が期待できます。
リライト業務を外注する際は、クラウドソーシングサービスのクラウディアがおすすめです。
リライトで記事作成をする際の注意点3つ
リライトで記事作成をする際の注意点は次の3点です。
- 記事の本題と関連の低いキーワードを多用しない
- リライト箇所の前後で整合性をチェックする
- 他の記事のコピーペーストは絶対にしない
1つずつご紹介します。
記事の本題と関連の低いキーワードを多用しない
記事の本題と関連の低いキーワードを多用して検索でのヒット率上昇を期待するのはやめましょう。
本題と関連の低いキーワードが多い記事はユーザーに有用な情報が深かく掘り下げられていないと見なされ、検索アルゴリズムから低評価を受けるからです。
例えば検索アルゴリズムが未熟だった頃は、ユーザーが検索しそうなキーワードをたくさんタグ付けしてアクセス数を稼ごうとするWebページが乱立していました。
しかし、集客用に多くのキーワードを羅列しているだけでコンテンツの中身にユーザーの欲しい情報が乏しいケースが多かったので、SEOスパムと見なして対策が立てられました。
現在ではそのようなWebページを上位表示させないように検索アルゴリズムが最適化されています。
「リライトで記事作成するときのコツ」の項でご紹介したように、むしろ特定の分野に特化した記事を書いた方が高い評価を受けられます。
訪問してきたユーザーにとって有益になるよう、また検索アルゴリズムに低評価されないよう、キーワードの数には注意しましょう。
リライト箇所の前後で整合性をチェックする
リライト箇所の前後で元記事の文章との整合性が取れているかどうかに注意しましょう。
なぜなら、新しい情報を盛り込むことに意識を奪われて、記事全体の構造を損なう恐れがあるからです。
たとえば「リライトのコツ」という見出しで書かれた項目の中に新情報を足す際、検索アルゴリズムの評価ポイントに軽く触れるのは自然な流れです。
しかし、同じ項目の中で「Google」「Yahoo」「Being」「Baidu」と大手4社の検索アルゴリズムの比較をまとめるのは「リライトのコツ」と呼ぶべき内容を逸脱していますね。
この場合は「大手検索アルゴリズムの比較」という見出しで新たな項目を作成するべきでしょう。
読者が記事を読んでいて混乱しないよう、リライトの前後で整合性が取れているかどうかに気を配りましょう。
他の記事のコピーペーストは絶対にしない
リライトだけでなく全てのWebコンテンツ作成時に当てはまることですが、他の記事のコピーペーストは絶対にやめましょう
なぜなら他の記事からのコピーペーストは著作権の侵害にあたるからです。
たとえば、著作権の侵害によって罰金や懲役を課せられる場合があります。
(参考:公益社団法人著作権情報センター)
また、かつては著作権を侵害された被害者が告訴しない限り罪に問われませんでしたが、2018年の法改正によって被害者の告訴なしでも処罰の対象となりました。
(参考:J-Net21)
さらに、コピーペーストすることで他記事との類似性が高くなり、検索アルゴリズムからの低評価を受けるというSEO上のデメリットもあります。
著作権とSEOの観点上、他の記事からコピーペーストをするのは絶対にやめましょう。
まとめ
リライトで記事作成をする際のコツとそのSEO効果についてまとめました。
リライトで記事作成をする際の1番のポイントはユーザー体験(UX)を第一に考えることです。
検索順位を上げようとするあまりキーワードを羅列したり、他記事から無断でコピーペーストを行ったりする行為はUXの低下につながり、記事の質が低評価されて逆効果となってしまうので注意してください。
本章がリライトで記事作成をする際にお役に立てましたら幸いです。
記事作成時の調査方法やSEO対策についてより深く知りたい方は、クラレポ内の以下の記事もご参照ください。