記事作成の仕事において、タブーとされることの一つが「コピペ記事の作成・納品」です。
外注の仕事を受けたことがある方なら、執筆規則に「コピペ厳禁」の文字を見たことがあるのではないでしょうか。
そもそも、コピペが禁止されている理由はご存知ですか?
ライターを始めたばかりの方の中には「禁止されているのは知っているけど理由までは分からない」という方もいるかもしれません。
そこで、この記事では「記事作成の仕事でコピペが厳禁とされる理由」「コピペにならない記事の書き方」など、コピペ記事の対策を紹介します。
記事作成の仕事をする上で参考にできるので、ぜひチェックしてください。
記事作成におけるコピペとは?
そもそも、記事作成の仕事における「コピペ」とは、どのような行為を指すのでしょうか。
まずは基本に立ち返り、コピペの定義を確認していきます。
コピペ=他人の書いた記事を盗用すること
コピペとは、他人の書いた文章をそのまま、または一部のみ改変して使用することです。
コピペは「コピー&ペースト(複製と貼り付け)」を略した造語で、記事作成では文章の記事の盗用を意味する言葉として使われます。
コピペとリライトの違いは文章を書き替えるかどうか
コピペと混同されがちな言葉に「リライト」という単語もありますが、コピペとは何が異なるのか疑問な人も多いと思います。
結論から言うと、コピペとリライトの違いは「文章に手を加えるかどうか」にあります。
コピペと比較して議論されるとき、リライト文は「他人の記事を自分の言葉に直した文章」と定義されます。
コピペが「他人の文章の盗用・一部の改変」とされるのに対し、リライトは「内容はそのままに書き方を変える」行為です。
たとえば、以下の文章は、原文とその文章をリライトしたものですね。
パン職人の朝は早く、3時から5時など早朝から出勤することも珍しくありません。
ベーカリーに勤務するなら早起きは必須です。勤務先によっては4時からパンの製造準備を始めるところもあります。
伝える内容はほとんど同じですが、ぱっと見て原文を参考に書いたとは分からないのがリライトの特徴です。
なお、既存記事の情報更新や修正を目的としたリライト業務は、この章で説明した行為とは性質が異なるので、混同しないよう注意してください。
記事作成の仕事の対象はオリジナル記事のみ
新規記事の作成業務で、クライアントが求めるのはオリジナルの記事のみです。
コピペ記事の納品はどのメディアでも厳禁となります。
仮に、納品時はコピペがバレずに済んだとしても、後からコピペが発覚して大ごとになることも。
お金をもらって記事を書く以上、楽をしたいという意識は捨てるべきでしょう。
なお、新規記事の作成においては、リライト記事も基本的には推奨されません。
ただ、クライアントごとに「文章の一部であればリライトOK」「全面的にNG」などルールが異なります。
詳細は納品先の執筆規則(レギュレーション)を参照してください。
記事作成でコピペをしてはいけない理由
記事作成でコピペをした場合、どのような事態に発展するのでしょうか。
コピペ記事の納品・掲載による影響を考えてみましょう。
クライアントからの信用を失う
第一に、仕事を任せてくれたクライアントからの信用を失います。
他のメディアのコピペ記事を納品してお金をもらうのは、いわば盗品の転売のようなものです。
クライアントからの信頼は失墜し、ほぼ確実にそれ以降のお付き合いはなくなるでしょう。
クライアント側も、納品物のコピペチェックは実施しています。
コピペは確実にバレますので「一回だけなら大丈夫」などということはありません。
記事作成の仕事を長く続けたいのであれば、クライアントからの信用は財産です。
目先の楽さに負けてクライアントを失望させてしまっては、ライターとして活動を続けるのは難しいでしょう。
著作権法違反で損害賠償請求の対象となる場合がある
コピペ記事が公開されると、コピー元の文章の著作権を侵害してしまう恐れがあります。
文章は絵や写真と同じく著作物であり、勝手に利用されない権利があるのです。
クレーム程度で済めばよいですが、著作権者(多くは掲載メディアの運営元)の意向次第では、使用料や損害賠償を請求される可能性もあります。
金銭的に多大な迷惑がかかるうえ、クライアントのメディアや運営会社の評判にも傷がつきます。
クライアントと交わした契約内容によっては、支払った損害賠償などをライターが請求されることも考えられるでしょう。
以上のように、コピペ記事の納品はクライアントにもライターにも非常にハイリスクなのです。
SEOに悪影響が出る
WEBメディアへ掲載するための記事作作成することも多いと思います。
Googleに「コピーコンテンツだ」と判断されると、SEOにも悪影響がでます。
というのも、Googleは悪意あるコピーコンテンツには非常に厳しいペナルティを課すからです。
悪質と判断された場合、検索結果画面に表示される順位が大幅に下落するケースや、そもそも検索結果に表示されなくなることもありますね。
コピペ記事を作られた被害者側がGoogleに対して、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)違反の申請を行うことで記事だけでなく、サイト全体にペナルティを与える可能性もあります。
ペナルティの対象になると、検索エンジンを経由してのアクセスが激減するため、問い合わせや広告収入の減少などの打撃を受けることが考えられます。
記事作成でコピペと判断されない書き方のコツ
記事作成の仕事をする際、心配なのが「意図せずコピペ記事を書いてしまうのではないか」という点です。
事実、文章の盗用をしていない場合でも「他のサイトと類似しているところが多い」と指摘を受けて修正依頼されるケースも見受けられます。
では、コピペにならないよう記事を作成するには、どんな点に気を付ければよいのでしょうか。
この賞では、記事作成でコピペと判断されない書き方のコツについてご紹介します。
競合や参考記事の確認では内容をざっと把握するにとどめる
「意図せずコピペ記事になってしまう」という事態を避けるため、参考サイトの確認は、ざっくりと内容を把握する程度に留めるのがおすすめです。
じっくり熟読してしまうと、文章が参考サイトの影響を受けて似通ってしまうリスクがあります。
SEOコンテンツを作成する際は、競合のチェックや参考文献の確認は欠かせませんが、内容まで似てしまわないよう工夫が必要です。
競合サイトを調べるのであれば「見出しの構成だけチェックする」、参考サイトで知識を吸収するときは「必要な箇所だけを読む」ことをおすすめします。
他の記事を掲載する必要がある場合は引用を利用する
官公庁のデータの転載や、商品紹介での口コミの使用など、他のサイトから文章の一部を掲載しなければならないこともあります。
以上のようなケースでは、コピペではなく「引用」を使ってください。
引用することで、他の記事の一部を拝借していることを読者に明示できます。
引用には以下のようにルールがあり、決まりを守った上でおこなってください。
- 引用されている文章の再引用は禁止
- 引用部分の改変は禁止
- 引用部分が記事の大部分を占める使い方はNG
- 引用であることがわかるように書きリンクを貼る
以上を踏まえて引用をおこなうと、以下のようになります。
“親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。”
また、Googleに対しても「コピーではなく引用ですよ」と明示が必要です。
そのため、記事をアップロードする際は、引用部をHTMLのblockquoteタグで囲んでください。
自分でコピペチェックをおこなう
記事の納品前には、自分でもコピペチェックをおこなうのがおすすめです。
残念ながら、コピペする気が無くても、他のサイトのコンテンツと似通った内容になることはあります。
そんな場合に、クライアントからの信用を落とさないためにも、納品前に自分でチェックしておきましょう。
コピペチェックはツールを利用しておこなうのが一般的です。
次の章で、コピペチェックに使えるツールと使い方を紹介します。
無料で使えるコピペチェックツールと使い方
では、具体的に無料で使えるコピペチェックツールを紹介していきます。
筆者のおすすめは「Copy Content Detecter」と「こぴらん」です。
どちらも実際にWebメディアでコピペチェックツールとして指定されることがあり、実用性は高いといえます。
詳細な機能と使い方を見ていきましょう。
三つの観点からコピペチェックが可能な「Copy Content Detecter」
Copy Content Detecterは、ブラウザ(IE・Chromeなど)から利用できるコピペチェックツールの一つです。
登録された文章は「類似率判定」「一致率判定」「テキスト判定」の三点から評価され、コピペの可能性をパーセンテージで表示してくれます。
※当記事をコピペチェックにかけた結果画面
8000字までチェックできる有料プランもありますが、無料でも4000字までコピペチェックが可能です。
Copy Content Detecterの使い方は以下のとおり。
- コピペチェックしたい文章を登録する
- コピペチェックしたい文章を登録する
- チェック結果を待つ(1分から2分程度)
- 画面を更新してコピペチェックの結果を見る
チェック結果画面から、どこがコピペチェックに引っかかっているのか確認できるので、修正もしやすいという特徴があります。
すばやく簡易チェックが可能な「こぴらん」
こぴらんは、記事を文章ごとに分割し、簡易的なコピペチェックをしてくれるツールです。
文章一つごとに類似数を出してくれるので、どこが引っかかっているのか分かりやすくなっています。
類似したサイトがない場合は「無」と表示されるので、記事に類似数がどの程度表示されているかをチェックしてコピペ率を調べることが可能です。
※当記事をコピペチェックにかけたところ
Copy Content Detecterと比べて操作が分かりやすいので、シンプルに使いたい方におすすめできます。
まとめ
記事作成の仕事で、コピペ記事は厳禁です。
クライアントに多大な迷惑をかける可能性が高く、ライター自身の信用にも傷がつきます。
故意にコピペするのは言語道断ですが、参考文献や競合をチェックする中で文章が似てくるという事態には要注意。
納品前にコピペチェックをおこない、クライアントに余計な心配をかけないよう対策しておきましょう。