WEBメディア記事作成の仕事では、上位表示させたいキーワードを渡され「これでお願いします」と頼まれることは少なくありません。
しかし、WEBメディア記事作成初心者の方は「記事に何を書けばよいか分からない」というのが本音でしょう。
良質な記事を書くには、記事作成の手順を知ることが必要です。
当記事では「記事作成をどう進めれば良いかわからない」という方向けに、記事ができるまでの工程と、各フェーズで何をするのかをやさしく解説しています。
WEBメディア記事作成を始めたばかりの方、これからライターの仕事をしたい方におすすめの内容です。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
手順1:全体像を把握し、ライバルをリサーチする
まず始めにやることは、記事の全体像を把握すること、すなわち「ざっくりとどんな記事にするのか」を決めていくことです。
そのために、以下の二つの点を詰めていきます。
- 必要最低限の内容を考える
- 競合の記事を調査する
1.記事に最低限必要な内容を考える
まずは、記事の核になる内容として「最低限必要な内容」を洗い出していきます。
というのも、核の部分が決まっていないと、以降のフェーズで肉付けもできないため、記事作成がスムーズに進まないからです。
たとえば「食パン 作り方」で検索エンジンに上位表示させたいのであれば、おのずと食パンの作り方に関する記事になるため、食パンの材料やレシピは必須の内容になるでしょう。
まずは、「最低限これだけは必要」と推測される情報を考えてみましょう。
2.ライバル記事の内容を調査する
次に、「狙いたいキーワードで現在上位表示しているライバルメディアの記事内容」を調査します。
対象となるのは、Googleで検索したときに1ページ目に表示されている記事です。
なぜ調査が必要なのかというと、上位表示されているWEBメディア記事は、調査したタイミングで「検索意図に沿っている」とGoogleに評価されているサイトだからですね。
※参考⇒ グーグルの検索結果から見えてくる「ユーザーの検索意図」の読み取り方
そのため、競合記事が盛り込んでいる内容はチェックしておく必要があります。
なお、記事にする際に競合のコピーにならないよう注意が必要です。
調査時はあくまで見出しを参考にする程度に留め、内容は読まないようにしましょう。
書き上げてからのコピペチェックも忘れないでください。
こちらの記事ではコピペチェック以外にも記事作成時に使えるツールをご紹介しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
手順2:キーワードから更なるユーザーの疑問を考える
記事を作る上で重要になるのが、検索ワードに込められたユーザーの「検索意図」です。
検索意図を読み解くことで、読者の疑問に答える記事を作ることができますね。
この章では、ユーザーの検索意図について、二つの種類と推測の方法を紹介します。
ユーザーには「顕在的な検索意図」と「潜在的な検索意図」がある
ユーザーの検索意図は「顕在的な検索意図」と「潜在的な検索意図」の二種類に分類されます。
というのも、検索エンジンで調べるキーワードは一つでも、多くの場合読者は派生する疑問をいくつも内包しているからです。
たとえば、「食パン 作り方」の例では、顕在的検索意図は「食パンの作り方が知りたい」です。
一方、顕在的検索意図に付随する「食感よく作るコツ」「型のサイズにあった生地の量」「温度から発酵時間を逆算する方法」などもあわせて知りたがっていることがあります。
こういった隠れたユーザーの要望が「潜在的な検索意図」です。
直接検索ワードで質問されてはいないけれど、隠れた需要がある情報を盛り込むことで、よりユーザーの疑問を解決できる記事となります。
潜在的検索意図を洗い出す方法
潜在的検索意図を洗い出す方法はいくつか存在し、中でも広く利用されるのが「競合調査」「関連キーワード調査」です。
以上の二つは、潜在的検索意図に対する答えが形になっているものであり、チェックすることでユーザーの問いかけに対する記事の精度を向上させることができます。
競合調査では、検索上位記事の内容から潜在的な検索意図を推測していきますね。
関連キーワードを知らない方のために説明すると、Googleが検索ワードに対して関係が深いと判断したキーワードのことです。
「食パン 作り方」の検索画面だと、検索一ページ目の最後部に、以下のように表示されています。
記事のテーマに合いそうなものであれば、内容に盛り込んでみることをおすすめします。
「競合調査」「関連キーワード調査」の他に、意外と効果があるのが「読者の気持ちになって考えてみる」という方法です。
「自分ならどんな気持ちのときにこのキーワードで調査するか」を突き詰めてみると、ユーザーの悩みや疑問が浮き上がってくることがあります。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、何度もトライアンドエラーを繰り返していくうちに精度が上がってきますのでぜひ挑戦してみてください。
手順3:具体的に記事構成を考える
全体像とユーザーの悩みが分かったところで、いよいよ具体的な構成(記事の骨組み)を考えていきましょう。
構成作りは大きく以下の三段階に分けて行います。
- 盛り込む内容の詳細を考える
- 内容の取捨選択
- 記事の骨組み作り
1.盛り込む内容と粒度を考える
まずは、記事に盛り込む内容と粒度(詳細度)を整理します。
というのも、記事作成では、調査した材料を全てそのまま記事にするわけではないからです。
どんな内容をどのくらい詳しく書くかを決める必要があります。
たとえば、食パンの作り方の紹介記事であっても、世にある食パンに関する情報全てをまとめるのは不可能ですよね。
「小麦粉の選び方は軽く触れる程度にし、詳細は個別記事のリンクを貼る」
など情報の取捨選択が必要になります。
2.記事内容は三つの基準で取捨選択する
何をどのくらい書くかは、以下の三つの基準から決定します。
- 内容の優先度(検索意図に直結するかどうか)
- 関連度(テーマに対する関係の深さ)
- 記事のボリューム(どこまで書けるか)
基本的には、テーマに直結する内容は最優先で詳しく盛り込み、それ以外はユーザーの潜在的検索意図に沿っているかで判断します。
洗い出した内容を記事のボリュームに照らし合わせ、上限の文字数に収まらないようであれば優先度の低いものを弾いていきましょう。
内容の取捨選択が完了したら、次に内容に沿って見出しを作成していきます。
3.見出しレベルの骨組みを作ってみる
記事にする内容が決定したら、その内容を見出しレベルにまで落とし込んでいきます。
見出しは記事をブロック分けしたときの各ブロックのタイトルのことです。
記事がどう構成されていて、どの順に何を説明するかを明確化する役割があります。
見出しにはh2から階層がある
見出しにはh2を最上位として、h3、h4…と階層が存在します(h1は記事のタイトル)。
というのも、各見出しに関連する情報をそれより下の階層の見出しに書くことが多いからです。
具体的な見出しの階層は以下のようになります。
- h2手ごねパンを美味しく作るためのコツ
- h3過発酵に注意する
- h3砂糖の分量はレシピ通りにする
- h4食パン作りでの砂糖の役割
当メディアのデザインに当てはめてみたのを見本掲載します。
以上のように、関連する情報の紹介や捕捉が必要な場合はh3以降の見出しを使用するようにしましょう。
なお、あまり階層を深くすると分かりにくい記事になるので、使用はh4見出しまでにとどめるのがベターです。
見出しにする際はメインテーマの順番に注意
内容を見出しにまとめる際は、メインテーマの紹介順にも注意が必要です。
メインテーマに関する情報を最後の方に書くと「知りたい情報がなかなか出てこない」と感じさせてしまいユーザーの離脱を招く原因になります。
ユーザーからすると、ステーキを食べにレストランに来たのに、延々とサラダやデザートを食べさせられているような状況ですね。
そのため、記事の本題は早めに紹介するようにしましょう。
なお、メディアによっては記事の最初にリンク付きの目次を用意しているところもあります。
目次がある場合、ユーザーは好きな順に見出しを読むので、目次がない場合ほど神経質になる必要はありません。
臨機応変に工夫してください。
当メディアの目次を見本掲載します。
手順4:見出しごとにリサーチし、記事を埋めていく
記事作成では、全体像を掴むための調査の他に、見出しごとのリサーチが必要です。
慣れてくると一緒にやってしまうこともありますが、最初のうちはより正確な記事を作るため別で行いましょう。
見出しごとのリサーチのやり方と注意点を紹介します。
見出しごとの内容をリサーチで深掘りする
各見出しの内容について、詳細を調査していきます。
なぜ各見出しのリサーチが必要なのかというと、全貌を把握するためのリサーチは基本的に粒度が荒いため、見出しの内容を作り込むには情報が足りないのです。
食パン作りの記事であれば「小麦粉の選び方」「発酵のコツ」など、詳細な内容を捕捉できる情報を調査していきます。
詳しく、かつ具体的な内容を提供するためには、見出しごとのリサーチは必須の手順です。
リサーチの際は情報元に注意する
記事のリサーチを行う際は情報元に注意します。
というのも、参考にする情報次第で、執筆する記事の正確さが変わってくるからです。
食パンに関する内容なら「パン好き主婦の趣味のブログ」より「食パン専門店の運営メディア」「食品を研究している大学の論文」「プロのパン職人の書いた書籍」のほうが情報は確かです。
読者に誤った内容を提供しないよう、リサーチ時点で「情報が正確かどうか」は特に注意してください。
見出しごとに内容を箇条書きにしておくと執筆時に行き詰まりにくい
記事を執筆する前、見出しごとに内容を簡単にメモしておくことで、行き詰まることなくスムーズに記事を作成できます。
記事を書くまでに「内容を文章化すれば記事ができる」レベルまで作り込んでおくと後が楽ですね。
執筆時に自分が分かれば良いので、以下のようなメモ書きレベルで大丈夫です。
-食パンなら生地の発酵は〇分くらいが平均的
-温度によって適正な発酵時間が違う
-過発酵には注意する
手順5:記事冒頭タイトルを決める
記事の中身が書けたら、ふさわしい内容のタイトルと冒頭文を作成します。
タイトルと冒頭文は記事の「顔」になる部分なのでアクセス率に直結しますね。
この章では、タイトルと冒頭文に何を書けばよいのかを確認していきましょう。
タイトルはキーワードを盛り込み記事内容がわかるように作る
タイトルには必ずキーワードを盛り込み、記事の内容が伝わるように作ります。
というのも、タイトルはGoogleの検索結果に表示されるため、読者が記事を読むかどうかの最初の判断基準になるからです。
たとえば、初心者向けに「食パン 作り方」をキーワードとした記事を書く場合を考えてみましょう。
すぐに思いつくのは『初心者でもできる食パンの作り方』などですが、もう少しテーマに合った具体性を詰め込みたいところです。
タイトル例を挙げるとすると、筆者であれば以下のようなタイトルにします。
『三工程でできる簡単プロの味!小麦香るおうち食パンの作り方』
以上はあくまで一例なのでテーマに合ったものを考えてみてください。
重要なのは「キーワード」と「内容が伝わりやすいこと」です。
タイトルは最大で42文字以内
タイトルは長くても42文字以内に収まるように調整します。
なぜ42文字かというと、Googleの検索ページにタイトルが表示される長さが42文字だからです。
なお、42文字という長さはあくまで上限であり、メディア名を一緒に表示する仕様であれば30字以下に収める場合もあります。
また、クライアントからの依頼で記事を作成する場合「タイトルは〇〇字以内にしてください」と指定があるケースも見られますね。
タイトルは最長で42文字、メディアの様式や案件によって上限は変わると覚えておいてください。
記事冒頭は読んでもらえるかどうかの判断材料になる
記事の冒頭文(リード文)は、アクセスした読者が中身を読むかどうか決める判断材料になります。
記事を開いてから最初に目に入る項目のため、冒頭文で「知りたいことは書いてないな」「自分向きじゃないな」と思わせてしまうと数秒で離脱されることも珍しくありません。
冒頭文には、最低限「誰に向けて」「どんな内容を書いているのか」を紹介するようにしましょう。
冒頭文のボリュームは案件によって異なりますが、多すぎても離脱の原因になるので、長くても300字程度に収めるようにしてください。
できればそれ以下の長さで、コンパクトにまとめるようにします。
まとめ
初心者のうちは、いきなりキーワードを渡されてもどうすれば良いか分からないことも多いでしょう。
「読まれやすい記事」には作成手順が既に存在するので、まずは順を追って取り組んでみてください。
「工程が多くて何だか大変だなぁ…」と思うかもしれませんが、慣れてくると素早く進められるようになりますよ。
より品質の高い記事を作るためにも、まずは手順に従って記事を作成してみましょう。