好きな時間に好きな場所で仕事ができるフリーランスに憧れ、「仕事を辞めてクラウドソーシングだけで生活したい」と考える人は少なくありません。
一方、クラウドソーシングだけで生活している人のブログやSNSを見て、「生活できるほど稼げるのは特別な人なのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「クラウドソーシングの仕事だけで生活できるのかどうか」について解説していきます。
目次
クラウドソーシングの仕事だけで生活はできる人は少数
クラウドソーシングだけで生活することは不可能ではありませんが、できる人は少数です。
2014年に中小企業庁が発表した「クラウドソーシング業務における1ヶ月の受注額」によると、クラウドソーシングで月に10万円以上稼いでいる人は、全体の1.4%。20万円以上となるとわずか0.3%です。
いくらあれば生活できるかは人それぞれですが、10万円以下の収入で暮らすのは、一人暮らしであっても厳しいと言わざるを得ません。
では、0.3%の人になるにはどうすれば良いのでしょうか。
クラウドソーシングの仕事だけで生活する5つのコツ
実際にクラウドソーシングだけで生活できている人が実践しているポイントは以下の5つです。
- コツコツ続ける
- 継続前提のプロジェクト形式の仕事を選ぶ
- 単価の安い仕事は受けない
- 効率的に稼げる仕事に選ぶ
- 新着案件やクライアントからの連絡を逃さない
1.コツコツ続ける
クラウドソーシングで生活していくうえで最も大切なのは、「コツコツ続ける」ことです。
なぜなら、案件をたくさんこなして作業スピードが早くなったり、試行錯誤して良い記事を書けるようになったりすることで、効率良く稼いだり、高単価の仕事ができるようになるからです。
また、仕事を期限内にきちんと完成させることでクライアント(仕事の発注者)の信頼を得られれば、仕事の継続依頼が来ることも少なくありません。
さらに、案件をこなすほど自分のプロフィール欄に実績がつくので、”信頼できるワーカー(仕事の受注者)”として新規のクライアントから仕事依頼が来ることもあります。
最初の数ヶ月は、月に数千円しか稼げないのが当たり前ですが、この時点で「やっぱりクラウドソーシングで生活するなんて無理なんだ」と諦める人が大半です。
ここで諦めず、コツコツ頑張って続けることが上位の0.3%に入るコツです。
2.継続前提のプロジェクト形式の仕事を選ぶ
クラウドソーシングで生活をしていくなら、継続前提のプロジェクト形式の仕事を選びましょう。
継続して仕事を受けられれば仕事を探す手間が省けるだけでなく、収入も安定するからです。
収入の安定は、クラウドソーシングだけで生活していく上で欠かせないポイントです。
継続が前提の案件には、「継続あり」「継続的に仕事をしてくれる人歓迎」といった文言が募集内容に入っています。
こういった案件をきっちりこなせば、クライアントの方から「継続してくれませんか?」とお誘いがもらえますよ。
「プロジェクト形式」とは、クライアントとチャットなどでメッセージのやり取りをしながら行う仕事です。継続案件の大半はプロジェクト形式の仕事となります。一方、クライアントと連絡を取る必要がない、単発で先着順の仕事を「タスク案件」といいます。
3.単価の安い仕事は受けない
クラウドソーシング初心者の頃は仕方ないとしても、いつまでも単価の安い仕事は受けないようにしましょう。
たくさん案件をこなしても、単価が安ければ生活できるほど稼ぐことはできないからです。
WEBライティング(記事作成)の案件で言えば、口コミ・体験談・ブログの更新などは単価設定が安い傾向にあります。
なかには、1時間以上かかる仕事が50円や100円といったケースもあります。7時間働いて350~700円ではパートやアルバイトの1時間分の時給にもなりません。
報酬はしっかりチェックしましょう。
4.効率的に稼げる仕事に選ぶ
クラウドソーシングの仕事で生活していくためには、「効率的に稼げる仕事」を選ぶのも重要です。
ライターの仕事を例に見てみましょう。
- A案件:2000文字 1記事 2,000円
- B案件:5000文字 3記事 12,000円
AとBでは、一見Bの12,000円の案件が目を引きますが、1文字あたりに換算すると、
- A案件:1文字1円
- B案件:1文字0.8円
なので、Aの方が文字単価が高く、効率よく稼げます。
クラウドソーシングでは、5~10記事をまとめて発注しているプロジェクト形式のWEBライター案件も多いです。
記事数が多いときには特に表面的な金額に惑わされることなく、効率的に稼げる仕事を選ぶようにしてください。
5.新着案件やクライアントからの連絡を逃さない
新着案件やクライアントからの連絡を逃さないよう、サイトをこまめにチェックすることも大切なポイントです。
なぜなら、誰もが狙っている好条件の仕事は、募集後すぐに埋まってしまうからです。
また、継続案件を受けているワーカーの場合、こまめにサイトをチェックしていればクライアントからの急な依頼にも対応できます。
スムーズに連絡が取れるワーカーは信頼を得ることができ、さらなる仕事に繋がります。
クライアントとの信頼関係を構築するためにも、新着の好条件の案件を逃さないためにも、サイトはこまめにチェックしましょう。
クラウドソーシングだけで生活できる仕事内容
クラウドソーシングで生計を立てている人の体験談を見てみると、
- 翻訳
- プログラマー
- ウェブ制作・デザイン
- 映像制作
といった専門性の高い仕事に加えて、ライティングの仕事が目立ちます。
ただ、専門性の高い仕事はスキルが必要なため、「出版社で翻訳の経験がある」「エンジニアとして働いていた」「動画クリエイターやディレクターの経験がある」といった方でなければ、仕事を受けることは難しいです。
一方、ライティングの仕事は、文章を書くことが好きで向上心のある人であれば、未経験でも挑戦できます。
出版社で働いていた経験などは必要ありません。
ライティングの記事のジャンルは「美容」「健康」「芸能」「映画」「恋愛」「ファッション」「仕事」などクライアントによってさまざまなので、どんな記事にも対応できる順応性が必要です。
例えば、「芸能関係の記事しか書けない」となると仕事の幅が狭まるため、生活していける金額を稼ぐのは難しくなります。
クラウドソーシングだけで生活するメリット
クラウドソーシングだけで生活するメリットは、何と言っても「ストレスなく自由に働ける」ことです。
主な理由は以下の3つです。
- 好きな時間に仕事ができる
- 自宅で仕事ができる
- 人間関係に悩むことがない
クラウドソーシングの仕事は、昼夜を問わず好きな時間に仕事ができ、自宅やカフェなど仕事場所も自由です。
「毎日満員電車に乗って通勤するのが苦痛」「朝起きるのが苦手」「寒い日や暑い日に外に出たくない」という人には理想的な働き方です。
また、「会社だと、子どもが熱を出して休むと白い目で見られる」と悩んでいるママワーカーでも自宅で働けるクラウドソーシングなら安心です。
さらに、「人間関係の悩みがない」こともクラウドソーシングの大きなメリットです。
会社員が働きたくないと思う理由の1位は「人間関係」という調査結果もあるほど、人間関係に悩んでいる人は多いです。
気の合わない同僚、面倒な派閥、威圧的な上司に悩むことなく、ストレスのない自由な働き方ができるのがクラウドソーシングだけで生活するメリットです。
クラウドソーシングだけで生活するデメリット
クラウドソーシングだけで生活することには、もちろんデメリットもあります。
- 収入が安定しない
- 外出しなくなる
- クレジットカードを作ることが難しい
- 各種手当や退職金がない
それぞれの具体的な理由を見てみましょう。
収入が安定しない
クラウドソーシングの最も大きなデメリットは、会社勤めのような固定給ではないため、収入が安定しないことです。
仕事が急になくなったり、月によって仕事量が異なったりすることも往々にしてあるため、数十万円稼げることもあれば、数千円しか稼げないこともあります。
また、体調不良や帰省・旅行などで仕事ができずに稼げなくなケースもあります。
外出しなくなる
クラウドソーシングだけで生活をすると、外出をあまりしなくなってしまいます。
通勤せずに済むのはクラウドソーシングの大きなメリットですが、人と会うことが全くなくなったり、運動不足になったりするのは避けたいところです。
自分で休みの日を設けて出かけたり、意識的に体を動かしたりするようにしましょう。
クレジットカードを作ることが難しい
クラウドワーカーは、クレジットカードを作ることが難しいです。
クレジットカードを作るには、一定額以上の安定した収入が条件なので、収入の安定性に欠けるクラウドソーシングは、クレジットカードの審査に通りにくいためです。
現在、会社員やパートの仕事をしている方は、クラウドソーシング一本に収入を絞る前に、クレジットカードを作っておくことをおすすめします。
ただし、クラウドソーシングの仕事でも、長期間安定した収入を得ていればクレジットカードを作れる可能性があります。
各種手当や退職金がない
クラウドソーシングだけで生活をするとなると、
- 残業手当
- 社会保険
- 退職金
といった手当や制度を利用することができません。
各種手当は、会社に勤務していれば会社が負担するため、会社員ではないクラウドワーカーは自分で負担しなければなりませんし、残業手当や退職金もありません。
会社員時代より収入アップしたいと考えている人は、各種手当や退職金の分まで稼がなくてはいけません。
まとめ
クラウドソーシングだけで生活をしていくのは、簡単なことではありません。実際にできている人もいますが、ごくわずかです。
「実家で暮らしている人」や「夫が働いている女性」のように、生活の基盤がある人であれば良いですが、一人暮らしやシングルマザーなど、自分の収入で家族を養っている人が、クラウドソーシングで生計を立てようと安易に会社を辞めることはおすすめできません。
「いずれはクラウドソーシングで生計を立てたい」という目標がある人は、本業の仕事はしつつ、副業としてコツコツと案件をこなし、クライアントからの信頼と継続案件を獲得しましょう。
そして、暮らしていけるだけの収入が毎月安定して得られるようになったら、クラウドソーシング一本に絞ってみてはいかがでしょうか。