「事務スタッフがおらず、経営者や営業担当者が事務作業に時間をとられてしまい、生産性があがらない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
また「繁忙期だけ事務作業をサポートしてくれるスタッフがほしい」といった声も少なくありません。
上記のようなケースには、事務作業の外注化がおすすめです。
結論から言いますと、以下のサービスを使うことで事務作業が外注できます。
- リーズナブルに利用できるクラウドソーシング
- 業務量が多くても対応できるオンラインアシスタント
- オフライン業務も依頼できる事務代行会社
この記事では「事務作業におすすめの外注先」「外注費用の相場」や「依頼できる業務内容」などについて詳しく解説していきます。
【厳選3選】事務作業におすすめの外注先
事務作業におすすめの外注先は以下の3つです。
- クラウドソーシング
- オンラインアシスタント
- 事務代行会社
それぞれの特徴と依頼方法について詳しく解説してきますので、外注先を選ぶ際の参考にしてください。
価格重視!【クラウドソーシング】
価格重視なら、クラウドソーシングを使って外注しましょう。
サービスに登録している個人に事務作業を依頼すれば、事務代行やオンラインアシスタントの会社に依頼するより安く済む可能性が高いです。
クラウドソーシングでは作業料金に「管理費用」「広告費用」などが上乗せされないので、料金が安くなりやすいからです。
またクラウドソーシングならスポット利用しやすいのもメリットといえるでしょう。
都合に合わせて契約期間を決められるので、「決算の時期だけ頼みたい」「月末だけ助けてほしい」などフレキシブルに利用できます。
ピンポイントで依頼できれば、コスト削減にもなりますね。
土日や夜間に稼働できる人もいるので、「会社の営業時間がイレギュラーでも依頼しやすい」というメリットもあります。
なおクラウドソーシングでは気に入った外注先が見つかれば継続して発注もできますし、「仕事やコミュニケーションの質がイマイチだな」と感じれば、別の外注先に乗り換えてもOKです。
不満を持ちながら契約を続ける必要がないのもメリットだといえるでしょう。
一方個人に依頼するため、作業量が多すぎると対応できないのはデメリット。
また外注先である個人が体調不良などで作業できないときは、事務処理が滞ってしまう点にも注意が必要です。
そのためクラウドソーシングは「コストを抑えて必要な時期だけ外注したい」「依頼したい事務作業の量が少ない」といった場合におすすめします。
「プロジェクト方式」を使う理由は以下のとおりです。
- クライアントが予算を提示できる
- 応募者の中から適任者を選べる
プロジェクト方式では、クライアントが公開したプロジェクト内容に応募してきたワーカーの中から、適任者を選んで外注します。
報酬は「時給制」にしてもいいですし、「納品物単位の報酬」にしてもOKです。
「納品物単位の報酬」とは、例えば「データ入力○件に対して○円」「資料作成○件に対して○円」といった料金設定です。
時給制は「アルバイト感覚で、継続的に業務を依頼する場合」、納品物単位の報酬は「スポット的な依頼で、依頼したい業務が限られている場合」に向いています。
プロジェクトの書き方や適正な報酬がわからない場合は、他社が出している事務代行のプロジェクトを参考にしてみてください。
依頼したい事務作業が多い!【オンラインアシスタント】
依頼したい事務作業の量が多いなら、オンラインアシスタントでの外注がおすすめです。
受託する業務内容や業務量に応じてオンライン上にアシスタントのチームを編成するため、事務作業が多くてもきっちり対応できるからですね。
一人が急に休んでも他のスタッフがカバーでき、業務の継続性も失われません。
また得意分野が違うスタッフを集めてチームを組めるので、業務内容が多岐にわたっても外注先はひとつですみます。
例えば「経理」「営業事務」「SNS運用」などをまとめて外注できるオンラインアシスタントもあります。
一方で業務量が少なくスポット利用したい場合にはニーズに合わないケースもあるので注意しましょう。
「月単位で稼働時間が決まっている」「最低契約期間がある」というオンラインアシスタントが多いためです。
オンラインアシスタントは「業務量が多く長期間継続して契約したい場合」に向いているサービスだといえるでしょう。
まずサービスの運営会社に「依頼したい業務」「外注開始時期」などを連絡する必要があるからですね。
連絡した内容を元に、メールや電話で打ち合わせを行います。
先方が提示する「見積もり」「対応業務」「稼働時間」「緊急時の対応」などに納得したら、契約しましょう。
なお実際の業務開始前に「スタッフを交えたキックオフミーティング」「マニュアル作成や業務フローの設計」を行う会社もあります。
オフライン業務を依頼したい!【事務代行会社】
オンラインアシスタントやクラウドソーシングの場合、「オンライン・在宅で完結する仕事」の外注が基本で、オフライン業務には対応してもらえないケースも多くなっています。
オフライン業務とは「スタッフがクライアントのオフィスや現場で行う仕事」のこと。
事務・アシスタントの分野でいうと「郵送物の発送」「銀行窓口での入出金や通帳記入」「オフィスの整理整頓」などがあたります。
上記のようなオフライン業務を外注依頼したいなら、事務代行会社がおすすめです。
「請求書やDMの郵送」「集金の代行」といったオフライン業務にも対応している事務代行会社も多いです。
オフィス常駐型や訪問型のサービスなら、データ入力したい情報を社外に持ち出すわけにはいかない場合にも利用可能となっています。
ただしオフライン型の業務を依頼する場合、対応エリアが決まっているケースもあるので注意してください。
事務代行だけではなく「営業代行」「経営コンサルティング」などもまとめて依頼できる会社もあるので、幅広いサポートを求める場合も事務代行会社を選びましょう。
オンラインアシスタントと違って公式サイトなどで料金プランを公開している会社が少なく、問い合わせないと費用感がわからないからですね。
料金は「業務内容」「事業者の規模(業務量)」などにより異なります。
事務作業を外注するといくらかかる?料金相場を紹介
事務作業を外注依頼する際の料金相場を「クラウドソーシング」と「オンラインアシスタント」それぞれで紹介します。
クラウドソーシングで依頼するなら時給1,000円~2,000円
クラウドソーシングで依頼する場合、時給1,000円~2,000円となります。
時給に幅があるのは、業務内容により単価が変わるからですね。
また外注先である個人と相談した上で単価が決定するので、人によってかなり単価が変わるのもクラウドソーシングの特徴です。
一般的に「データ入力」など単純作業に近いものは1,000円~、「経理」など知識・スキルが必要なものだと1,500円~を見込んでおくといいでしょう。
オンライン秘書・オンラインアシスタントのようなかたちで複数業務を依頼する場合は、時給2,000円~が相場となります。
時給制ではなくプロジェクト単位の報酬を設定する場合も、「どのくらい時間がかかりそうか」「時給換算だといくらになるか」と考慮することをおすすめします。
予想される稼働時間に対してあまりに安い報酬だと、応募者が集まらないからです。
仕事の質が心配な場合は、「はじめは低めの単価だが、仕事のクオリティに満足すれば報酬をアップする」といった使い方も可能です。
オンラインアシスタントは月50,000円~100,000円
オンラインアシスタントの料金相場は月50,000円~100,000円となっています。
料金に幅があるのは、「稼働時間」「契約期間」によって料金が変動するからです。
オンラインアシスタントは月額料金制を採用しているのが一般的で、稼働時間により月額料金が変わります。
稼働時間が長くなるほど月額料金はアップしますが、時給換算した単価は下がっていきます。
また長期契約すると月額料金が安くなる会社も多いです。
参考として主なオンラインアシスタントの月額料金をまとめました。
オンラインアシスタントサービス |
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Craudiaアシスタント |
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フジ子さん |
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CAETER BIZ |
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i-STAFF |
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長期契約の予定ならディスカウント制度がある会社を選ぶといいでしょう。
なお事務代行会社の費用は業務内容によってかなり変動するため相場が出しにくく、問い合わせしないとわからないようになっています。
事務作業で外注依頼できる業務一覧
外注できる事務作業の種類を紹介します。
- 経理
- 総務
- 人事
- 営業事務
- Web系事務
なおカバーできる業務範囲は外注先により異なるので注意しましょう。
それでは順番に解説していくので参考にしてみてください。
経理事務
経理事務は外注できます。
「経理代行会社」「会計事務所」など、経理専門の事務代行サービスも多いためです。
具体的な仕事内容を紹介します。
- 記帳
- 給与計算
- 年末調整
- 決算書作成
経理を自分で行っているせいで、コア業務に集中できない個人事業主や経営者の人も多いのではないでしょうか。
総務
総務事務も外注できます。
総務業務にはルーチンワークも多く、外注するのに適しているからです。
外注できる総務事務の内容は以下の通りです。
- 備品・建物の管理
- 防災・防犯業務
- 受付・問い合わせ対応
- 文書管理
- イベント企画・運営
- 総務業務に関するリサーチ
会社によっては総務部門が経理や秘書を兼ねていることもあります。
人事
人事部門の仕事も外注できます。
人事が担当している仕事の中にも、外注に適したルーチンワークがあるからです。
外注できる業務は以下の通りです。
- 給与計算
- 勤怠管理
- 社会保険業務
営業事務
営業事務も外注できます。
契約書や営業資料の作成などは外注しやすいからです。
依頼できる業務の具体例を紹介します。
- 契約関係書類・資料作成
- 資料作成のためのリサーチ
- 顧客対応
- スケジュール管理
- 受発注管理
- 顧客情報のデータ入力
「営業活動そのものは自社スタッフが行い、請求書・契約書などの作成は外注する」といった役割分担が可能です。
Web系事務
事務作業の外注では、Web系の事務作業も依頼できます。
外注先によっては、Web系の知識をもつスタッフが担当についてくれるからです。
依頼できる業務の内容を鍾愛します。
- Webサイトの編集
- SNS運用
- ECサイト運用
- Webサイト掲載用画像の編集・加工
すべての外注先がWeb系の仕事に対応できるわけではないですし、得意とする内容も異なってきます。
Webに関する仕事の中で対応できる部分について契約前に確認していきましょう。
また事務代行では、「SNSの簡単な投稿」などしか依頼できないことも多いです。
事務作業の外注先を選ぶ際のコツ4つ
事務作業の外注先を選ぶ際におさえておきたい4つのコツを紹介します。
- 事務作業の実績豊富な外注先を選ぶ
- 対応できる事務作業の範囲をチェックする
- 外注先のセキュリティ対策をチェックする
- サービスの柔軟性をチェックする
1.事務作業の実績豊富な外注先を選ぶ
事務作業はスピーディーかつ正確に作業できる人に依頼しないと、無駄な作業時間と費用が発生します。
事務作業を外注するなら、実績豊富な外注先を選びましょう。
過去の経験の多さに比例して、作業効率がよくミスも少ないと考えられるからです。
例えば「ある仕事に精通しており2時間で正確に終わらせられる人」と、「経験が浅く4時間かかってミスばかりの人」なら、前者のほうが費用対効果は高いです。
なお「経理業務に特化している」「士業のサポートに慣れている」など、特定の業務や業界に強い外注先もあります。
任せたいと考えている業務や自社と同じ業種の経験が豊富な外注先なら、安心して依頼できるでしょう。
過去の実績を確認する際には、クラウドソーシング内の「プロフィール」や、オンラインアシスタント・事務代行会社の公式サイトでチェックしてみてください。
2.対応できる事務作業の範囲をチェックする
外注依頼する際に対応できる事務作業の範囲もチェックしましょう。
ひとことで事務作業といっても、外注先によって対応できる業務範囲が異なるからです。
例えば「経理業務が専門」というところもあれば、それ以外の「営業事務」や「SNS運用」もおまかせできる外注先もあります。
「長期的に依頼する予定」「将来的に外注したい業務が増えるかもしれない」という場合には、対応範囲が広い外注先を選んでおくのはおすすめです。
希望する外注業務が増えた際、追加の外注先を探したりゼロから信頼関係を構築したりする手間を省けます。
3.外注先のセキュリティ対策をチェックする
外注先のセキュリティ対策もチェックしておきましょう。
事務作業の外注時には、社内情報の共有が必要となってくるためです。
「顧客リストをつくるために顧客の情報を渡す」「販促資料作成のために新商品の情報を渡す」などの場合は、関係者以外の第三者に流出しないよう対策する必要があります。
「オフィス内への私物持ち込み禁止」「パスワード管理」など、どのような情報漏えい対策を行っているのかを外注先にチェックしてください。
4.サービスの柔軟性をチェックする
外注先が、提供するサービスに関してどれくらい柔軟に対応してくれるかをチェックしておきましょう。
外注先によってサポートできる範囲は異なります。
例えば個人に依頼する場合は、「土日や夜間にも対応可能」など柔軟な対応ができる人も多いです。
一方事務代行やオンラインアシスタントでは、土日対応はできないケースも多くなっています。
事務作業の外注にはメリットたくさん
事務作業を外注依頼することには、以下のような多くのメリットがあります。
- コスト削減になる
- 労働力の調整が簡単
- 質の高い作業が期待できる
- 社員がコア業務に集中できる
上記理由を順に紹介していくので参考にしてみてください。
事務スタッフの直接雇用よりもコスト削減につながりやすい
事務作業を外注した際、直接雇用よりもコスト削減につながりやすいです。
自社で事務スタッフを雇う際にかかる「通勤手当」「社会保険」「雇用保険」などが不要なためです。
さらに事務所へ居ないことから、作業専用スペースやデスクなども必要ありません。
また新人スタッフに対して、新たに業務を教えたりする時間もないことから、労力的なコストも抑えられます。
ただ直接雇用と外注のどちらがコスト的にお得なのか判断できないケースもあると思います。
スポット利用で労働力の調整が簡単にできる
必要な際のみ事務外注することで労働力の調整ができます。
「決算時だけ依頼する」「プロジェクト単位で依頼する」といったスポット利用が可能だからですね。
「繁忙期だけサポートしてもらい、閑散期は契約しない」という使い方もできます。
月単位での固定費を抑えることを徹底している企業や担当者の方にとって助かるのではないでしょうか。
具体的には、事務スタッフを雇うことで仕事のない期間ができてしまい、無駄が発生するのを避けたい方などが当てはまります。
とくにクラウドソーシングのプロジェクト形式であれば、スポット依頼をしやすくておすすめです。
質の高い作業が期待できる
事務作業を外注することで、質の高い作業が期待できます。
希望する業務の経験豊富なスタッフへ依頼できるからです。
例えば「経理事務」「法務事務」「通訳・翻訳業務」など、知識やスキルが必要な事務作業に応じての使い分けも可能です。
未経験者がイチから勉強しながら仕事するよりも、最初から経験豊富な人に任せることで即戦力としての働き方を期待できます。
煩雑な事務処理作業に時間を取られず、生産性の高い業務に集中できる
事務作業を外注することで、生産性の高い業務に集中できる点もメリットといえるでしょう。
生産性のない単純な事務処理の時間を減らせるからです。
- 営業スタッフが煩わしい請求書作成・送付から解放され、商談に専念できる
- マーケティング担当が資料作成に時間をとられず、リサーチに時間をかけられる
事業のコアとなる業務に集中できることで「残業時間の減少」や「仕事のモチベーションアップ」などにもつながる可能性もあります。
事前にチェック!事務作業を外注依頼するデメリット3つ
事務作業を外注することには、下記のようなデメリットが考えられます。
- 社内にノウハウが蓄積されない
- 臨機応変な対応ができない可能性もある
- 事前に作業者の技量を把握しにくい
依頼前の参考にしてみてください。
社内に事務作業のノウハウが蓄積されない
外注のデメリットは、社内に事務作業のノウハウが蓄積されないことです。
自社スタッフが作業に関わらないから仕方がないといえるでしょう。
例えば将来的に「自社内に経理部門を作りたい」と思った際、なんの知識やノウハウもない状態から始めることになります。
もし将来的に社内の内製化を考えているのであれば、マニュアル作成・共有ができる外注先を選びましょう。
臨機応変に対応できない可能性もある
事務作業を外注している場合、臨機応変な対応ができないケースも少なくありません。
「用意されているマニュアル以外のことはやらない」「土日は対応が難しい」といった外注先も多いからです。
自社の社員なら緊急時には「残業」「休日出勤」をお願いできますが、外注だと対応してもらえない可能性もあると覚えておいてください。
また外注依頼前には、依頼内容や契約内容の確認作業なども生じることから、実際の作業開始まで日数を要したりします。
いますぐ作業を開始してほしいと急いでいるにも関わらず、なかなかスタートが切れずジレンマを感じることも出てきます。
外注先の事務スキルを事前把握しにくい
外注の場合、実際に事務作業を行う方のスキルを事前把握しにくいデメリットもあります。
秘密保持契約などの関係上、実際に仕事依頼を行うまで具体的な作業内容を伝えられないからです。
たとえばクラウドソーシングに登録している個人の方へ依頼する場合、本人が開示しているプロフィール情報などから判断するしかありません。
また事務代行やオンラインアシスタントなら、チーム編成を会社に任せるしかないので、誰が担当になるかもわからない状態です。
まとめ
事務作業のおすすめ外注先と、外注依頼するときのコツについてお伝えしました。
「業務量が少ない」「スポット的に外注したい」のであれば、クラウドソーシングを通じて個人に依頼すると費用を安くできるのでおすすめです。
個人に依頼するので「土日対応」などフレキシブルな依頼ができるのも、クラウドソーシングのメリット。
ただ個人だと多くの業務には対応できず、体調不良などで業務が止まってしまう可能性もあります。
「業務量が多い」「業務の継続性を重視したい」のであれば、費用は高くなりますがオンラインアシスタントや事務代行会社を検討しましょう。
オンラインアシスタントは基本的にオンラインで完結する業務にのみ対応しますが、事務代行会社なら「常駐型」「訪問型」のサービスを提供しているところもあります。
「データを社外に持ち出せない」といった場合は事務代行会社が適しているでしょう。
なお外注先によって「得意ジャンル」が異なります。