オウンドメディアの立ち上げを検討しているけれど、運用方法がわからないとお悩みではありませんか。自社メディアを立ち上げれば、自社ブランドの周知・資産の蓄積・新規顧客獲得などのメリットを得られます。メリットを得るには、オウンドメディアを適切に運用することも大切です。

この記事では、オウンドメディアとは何か、運営するメリット・デメリットを解説します。サイトの立ち上げとコンテンツ制作、運用後のポイントも紹介するので、効率よく自社メディアを運営していきたい方はぜひ参考にしてください。

オウンドメディアとは?基本から理解する

オウンドメディアとは、企業が運営する自社メディアのことです。メディアには、WebサイトのほかにブログやSNSの企業アカウントも含まれます。いずれも企業側が自由に情報を発信できるため、マーケティングに活用することが可能です。

ここでは、オウンドメディアを運用する目的とメリット・デメリットを紹介します。

オウンドメディアを運用する目的

オウンドメディアを運用する目的は以下の通りです。

  1. 潜在層と顕在層へのアプローチ・リード獲得
  2. 企業ブランディング
  3. 企業の認知度向上
  4. 商品やサービスの販売促進と成約
  5. 企業の採用活動

オウンドメディアを立ち上げることで、自社ブランドや商品・サービスを幅広い層に周知できます。現在は不要だが将来的に商品・サービスが必要になる可能性のある潜在層、自分の悩みを解決する商品・サービスを求めている顕在層にアプローチすることで、販売促進と成約率の上昇効果が期待できます。

また、オウンドメディアは採用活動に使うことも可能です。メディアに企業理念・事業内容・社風・社員インタビューなどを掲載すれば、魅力を感じた求職者が求人に応募します。自社が求める具体的な人材もあわせて掲載することで、採用後のミスマッチを防げるでしょう。

オウンドメディアのメリット・デメリット

オウンドメディアを運用することで得られるメリットは以下の通りです。

  1. SEO効果で継続的な集客が見込める
  2. 広告費を削減できる
  3. メディア内のコンテンツを資産化できる
  4. 新規顧客の獲得
  5. ロイヤリティの向上

SEO対策を実施したコンテンツを公開することで、自社商品・サービスに関連するキーワードで検索したユーザーの集客を見込めます。集客率が高ければ広告費を削減できる点も、オウンドメディアならではのメリットです。

PV数が多く、商品・サービスの成約率を上昇させるコンテンツは、自社の資産となります。質の高いコンテンツを多く公開すれば、長期的にメリットを得られるでしょう。商品やサービスの魅力を適切に伝えることで、新規顧客の獲得・既存顧客のロイヤリティ向上効果も期待できます。

続いて、オウンドメディアを運営するデメリットを見てみましょう。

  1. 運営後すぐに効果が出にくい
  2. SEOやコンテンツ制作の専門知識とノウハウが必要
  3. 継続的に運営しなければならない

運用によって得られるメリットはすぐに現れるわけではありません。継続的に運用することで徐々に効果が出てくるため、定期的にコンテンツを追加し、長く運用する必要があります。

また、集客率の向上や商品・サービスの成約率上昇効果を期待するなら、SEO・コンテンツ制作の専門知識とノウハウが必要不可欠です。自社内に専門知識を持つ人がいない場合は、SEOの知識を持つコンテンツ制作代行サービスを利用することがおすすめです。

オウンドメディア立ち上げの準備

自社メディアを立ち上げたいと思ったら、まずは準備から始めましょう。立ち上げ前に考えておきたいポイントを解説します。

オウンドメディア立ち上げの準備編

運営目的と達成したいゴールを明確にする

まずは、オウンドメディアを運営する目的と達成したいゴールを明確にしておきましょう。目的とゴールによって、用意するコンテンツ内容や運用スケジュールが異なります。どちらもあいまいなままメディアを立ち上げると、思うような効果が出ないため、事前に決めておきましょう。

たとえば、運営目的は「多くの人に自社ブランド・商品・サービスを認知してもらう」、ゴールは「幅広い層が自社を認知しており、商品・サービスの成約率が現在の2倍に届いている」とします。

幅広い層にアプローチするには、SEO対策を実施したコンテンツが欠かせません。そのため、関連するキーワードを網羅するSEOコンテンツを複数用意し、定期的に公開する必要があります。成約率の上昇を狙うには商品の購入とサービスの契約までをスムーズに進められるよう、コンテンツ内の工夫が必須です。

目的とゴールを定めることでオウンドメディアの方向性が定まるので、メディアを適切に運営していくためにも、立ち上げ前に話し合っておきましょう。

ターゲットとコンセプトを設定する

運営目的とゴールを決めたら、メディアのターゲット層とコンセプトを設定しましょう。目的とゴールが定まっていれば、どのような層がターゲットになるかが見えてきます。たとえば、赤ちゃん向けの用品を展開している企業は、20~30代・男女・子どもを希望している、または妊娠中の人をターゲット層にすることがおすすめです。

コンセプトは、メディアの方向性にズレを生じさせないために決めるものです。赤ちゃん向け商品を展開する企業なら「自社が展開する赤ちゃん向けグッズの購入率を上げるために、育児のお役立ち情報と共に便利アイテムがわかるコンテンツを制作する」とコンセプトに設定できます。

コンセプトを決めるときは、運営目的とゴールからずれがないようにしましょう。目的とゴールを確認したうえで、メディアの方向性を決めることが大切です。

運用体制と予算を決定する

オウンドメディアを運用する際は、複数人で構成される専用チームを構成しなければなりません。チームに必要な人材は以下の通りです。

  1. SEO担当:コンテンツ制作に不可欠なキーワードの洗い出しや構成作成などを担当
  2. ライター:コンテンツ制作を担当
  3. 編集者:コンテンツ制作のスケジュール管理や制作後の内容を確認
  4. デザイナー:オウンドメディアのデザインを担当
  5. エンジニア:メディアの制作を担当

それぞれの役割は1人で対応することが難しいため、SEO担当は2人、ライターは5人など、複数人を割り当てなければなりません。社員を割り当てることが難しい場合は、外注に頼ることも大切です。

外注に依頼する場合は別途費用が発生するため、オウンドメディアに割り当てられる予算額も一緒に決めておきましょう。

オウンドメディアの作り方【サイト制作編】

オウンドメディアの方向性が定まったら、サイトを制作していきましょう。ここでは、サイト立ち上げ時のポイントを解説します。

ドメイン、サーバー、CMSを用意

サイト構築に必要なドメイン・サーバー・CMSを用意します。

ドメイン:インターネット上の住所のようなもの
サーバー:オウンドメディアを保管してくれるコンピューター
CMS:コンテンツ制作・公開ができるシステム

CMSでオウンドメディアを構築してドメインを設定します。検索エンジンにドメインを入力すると、ユーザーのリクエストに応えてサーバーがオウンドメディアを表示してくれるという仕組みです。

ドメインを会社名にすることで、他企業と差をつけることが可能です。自社独自のオウンドメディアであると認知させられるだけでなく、ブランドの価値も高められます。ブランディングの観点からも重要なポイントになるため、ドメインは慎重に決めましょう。

CMSにはさまざまな種類があるので、複数のシステムを比較してから決めることがおすすめです。選択肢が多くて決められない場合は、CMSの大手であるWordPressを選びましょう。プラグインや情報が豊富、初めてでも扱いやすいシステムなど、複数のメリットを持つCMSです。

サイトデザインとコーディングから完成まで

オウンドメディア構築に必要なドメイン・サーバー・CMSを用意したら、本格的にサイト構築を進めていきましょう。デザイナーが主体となって、サイトデザインを考えていきます。サイトの色合い・文字のフォント・ロゴなどを、企業イメージやコンセプトに沿って決定します。

サイトデザインが完了したら、デザインを反映させるためにコーディングを行います。コーディングとは、コンピューターが理解できる形式で指示を出すことです。プログラミング言語やマークアップ言語を使う必要があるため、エンジニアが主体となって作業を進めましょう。

オウンドメディアの作り方【コンテンツ制作編】

サイト構築が完了したら、オウンドメディアの核となるコンテンツを制作しましょう。ここでは、コンテンツを制作する流れを解説します。

オウンドメディアの作り方【コンテンツ制作編】

対策キーワードの選定

コンテンツのメインテーマとなる、対策キーワードを選定しましょう。キーワード選定の流れは以下の通りです。

  1. コンテンツのメインテーマを明確にする
  2. 関連キーワードを洗い出す
  3. キーワード別の検索ボリュームを調べる
  4. 検索ボリュームの高いキーワードと関連するキーワードを洗い出す

まずは掲載するコンテンツのメインテーマを明確にし、関連するキーワードを確認します。キーワードがわかったら、ツールを使って関連キーワードを洗い出しましょう。ツールによっては、検索ボリュームも同時に調べられます。

検索ボリュームが多いほどユーザーからの需要が高くなるため、ボリュームの多いキーワードをメインとして、関連するサブキーワードもいくつか洗い出しておいてください。

メインキーワードがわかったら、競合サイトをチェックすることもおすすめです。キーワードで上位表示される競合サイトを確認し、構成や文字数、監修の有無などを確認しましょう。他社の記事を分析することで、どのように工夫すれば高品質なコンテンツを制作できるかを考えられます。

記事構成案の作成と執筆

対策キーワードが決まったら、コンテンツの構成を作成しましょう。構成を作る際にも、競合サイトの記事を参考にすることがおすすめです。読みやすさを感じられる、またはユーザーの悩みや課題をきちんと解決できるような構成を作りましょう。

構成を作成したら、ライターが執筆を行います。複数人のライターが執筆をする際は、表記ゆれや文調にズレが生じないよう、コンテンツ全体のルールを伝えておきましょう。事前にレギュレーションを共有することで、コンテンツ別に文調が異なるトラブルを避けられます。

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編集・校正・校閲と入稿(監修)

記事の執筆が完了したら、編集者が編集・校正・校閲作業を行います。編集者が行うのは、誤字脱字チェック・表記ゆれの有無・ファクトチェックです。必要に応じて、文字装飾と画像挿入を行い、コンテンツの視認性を向上させることも大切です。

コンテンツのテーマによっては、専門家による監修も検討しましょう。医療や法律など、専門的な知識が必要なコンテンツは、専門家によるチェックが入ると安心です。監修を入れることで正確性の高いコンテンツと判断されるため、検索順位の上昇効果も期待できます。

オウンドメディアの運用・分析・改善方法

サイトを構築し、コンテンツを公開した後は分析や改善を行ってオウンドメディアをより良いものに仕上げていかなければなりません。ここでは、メディアの運用方法を解説します。

メディアの効果測定

メディアがどれくらい閲覧されているのか、効果測定を行いましょう。効果測定はGoogle アナリティクス、Google Search Consoleなどのツールを活用します。チェック項目は以下の通りです。

  1. PV数(コンテンツページが表示された回数)
  2. セッション数(ユーザーがコンテンツを閲覧した回数)
  3. メディアの平均滞在時間(ユーザーがメディアに滞在した時間)
  4. 直帰率(特定ページ閲覧後、メディア内のほかのコンテンツを見ずに離れたユーザーの割合)
  5. コンバージョン率(特定の目標を達成したユーザーの割合)

それぞれの効果を確認し、オウンドメディアのゴールに近づいてるかを定期的にチェックしましょう。効果が現れている場合は運用を継続、効果があまり出ていないときはコンテンツの改善を行うことが大切です。

コンテンツのリライトとアップデート

公開したコンテンツを定期的にリライトしたり、情報のアップデートを行ったりすることも重要です。ユーザーが求める情報は定期的に変化するため、有益な情報を提供するためにも、コンテンツ内容をリライトしていきましょう。

また、情報が古い場合は、最新のものにアップデートすることもおすすめです。情報を新しくすることで、ユーザーは最新の情報を得られ、コンテンツの評価も高くなります。

コンバージョンの改善

コンバージョン率が低い場合は、コンテンツ内に何らかの工夫を施す必要があります。

たとえば、自社商品の購入を目標として、オウンドメディアで集客を狙ったコンテンツを制作したとします。集客が上手くいってコンテンツは多くの人に閲覧されている一方で、ユーザーが商品の購入まで至っていないというケースが出てきます。その場合には、目標を達成するためにも、ユーザーが購買意欲を増すような文章にリライトしたり、商品購入につながる導線を配置するなどの施策が必要になります。

オウンドメディアに必要な費用

オウンドメディアの運営には費用が発生するため、必要な金額を把握しておくことが大切です。ここでは、メディア運営に必要な費用を解説します。
オウンドメディアに必要な費用

サイトの構築に必要な費用

サイト構築に必要な費用は以下の通りです。

  1. ドメイン使用料:1,000~10,000円
  2. サーバー使用料:1,000~3,000円/月
  3. サイトデザインの依頼料:0~100万円

ドメインとサーバーの使用料は必ずかかるものの、サイトのデザイン依頼料はデザイナーの有無によって変わります。社内にデザイナーがいれば依頼料はかかりませんが、依頼する場合は高額の費用がかかるかもしれません。

ただし、WordPressなどのシステムを使って自社内でデザインを手掛ける場合は、費用を抑えられます。どのようなデザインにするかによって変わるため、希望するデザインと予算にあわせて判断しましょう。

このほかにも、ロゴデザインや商品・サービスの写真撮影費用も別途発生する可能性があります。

記事制作に必要な費用

記事制作を自社で行わず、外注する場合には以下の費用が発生します。

  1. 執筆料(文字単価):2円~/1文字
  2. 執筆料(記事単価単価):1万円~/1本
  3. 図解・インフォグラフィックの制作費用:1000円~/1枚

執筆料は、コンテンツの文字数に応じて異なります。文字単価ではなく、1記事あたりの費用を提示されることもあるため、外注先に確認することが大切です。執筆料のほか、図解やインフォグラフィックの制作費用・編集や校閲の費用など、工程別に費用が発生します。

運用にかかる費用

オウンドメディアを継続して運用していく場合は、以下の費用がかかります。

  1. ドメインの更新料
  2. サーバー利用料
  3. SEO関連ツールの利用料
  4. AIツールの利用料

メディア運用にはドメイン・サーバーにかかる費用は必須です。自社でSEO対策を行う場合は関連ツールの利用料、AIツールを使ってコンテンツを制作する場合はAIツールの利用料が発生します。ツールによって利用料が変わるため、予算にあわせて選ぶことが大切です。

オウンドメディアの構築を成功させるための重要ポイント

オウンドメディアの作り方を把握したら、メディア運用を成功させる重要ポイントをあわせてチェックしておきましょう。ここで紹介するポイントを参考に、運用してみてください。

ユーザーファーストの徹底

オウンドメディアを運用する目的とゴールにばかりとらわれず、ユーザーファーストを徹底することが大切です。商品・サービスの購入促進や資料請求などのゴールばかり気にしているコンテンツでは、ユーザーが離れてしまう恐れがあります。

重要なのは、コンテンツを閲覧するユーザーに有益な情報を提供することです。ユーザーの悩みや課題を解決することをメインに、悩みや課題を解決するお手伝いとして商品・サービスの購入や資料請求がおすすめという内容を制作しましょう。

長期的な視点での運用

オウンドメディア運営による効果は短期間では出にくいため、長期的に運用していくものだと考えておきましょう。メディア運営による効果が出るまでに、4カ月~1年ほどかかるといわれています。すぐに効果が現れるものではないため、長期的な運用を見据えた運営体制を作ることがおすすめです。

体制づくりに加え、社内にも長期的にオウンドメディアを運用していくことを共有しておきましょう。社内全体がメディアの長期運用を理解していれば、すぐに効果が現れなくても運用に不満が出る心配もありません。

効果的なオウンドメディアを構築しよう

オウンドメディアとは、企業が運営するWebサイト・ブログ・SNSの公式アカウントなどです。自社の情報を自由に発信することができ、広告費を抑えた集客・自社ブランドの周知・商品やサービスの販売促進などのメリットを得られます。

オウンドメディアを構築するのであれば、専任チームを構成し、長期的な運用を可能とする体制を整えることが大切です。社内でチーム人数を補えなければ、外注に頼る方法もあります。コンテンツ制作や編集、監修など、さまざまな工程を依頼できるため、外注を活用しながら魅力的なオウンドメディアを構築しましょう。

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