副業で農業はできる?稼ぐ方法とおすすめの農作物、メリットやデメリット

趣味の延長として「農業で稼いでみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、本業とは別の副業で農業をするとどれくらい稼げるのか気になる方も多いと思います。

農業の副業とは、手作りした野菜を直売所等で販売し収益を得る稼ぎ方です。

今回の記事では、副業で農業をしたい方に向けて、「そもそも副業で農業はできるのか」「稼ぐコツ」「おすすめの作物」「メリットやデメリット」について詳しく解説していきます。

目次

副業で農業をすることは可能

結論から言うと、副業で農業をすることは可能です。

副業で農業できる様々な形態があり、本業と折り合いをつけながら農業を楽しめるからですね。

また、会社員や公務員が副業で農業をすることはどうなのか、気になる方もいますよね。

副業での農業の始め方と併せて、解説していきますね。

公務員が農業で副業できるのは小規模経営のみ

公務員が農業で副業できるのは、限られた収入での小規模経営のみです。

なぜなら、公務員は副業が法律上認められていない為、法律に従い農業を行わなければいけないからですね。

家族が生活できる分ほどの収入範囲内であれば、公務員が農業を行うことは認められますが、人事院の承認または任命権者の許可が必要です。(※任命権者とは、公務員の任命や休職、免職や懲戒等の権限を持つ人のこと)

参考⇒ 人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

また、農林水産省による副業農業の定義は「年間60日以上農業を行っている65歳未満の世帯員(世帯主と生活・生計を一緒にしている人)」です。

参考⇒ 農家に関する統計:農林水産省

つまり、会社員の方は年間60日以上農業を行い収入が発生した際に副業となりますね。

会社員は公務員のように副業に関しての法律規制はありませんが、会社の就業規則を確認しておくのはおすすめです。

副業で農業を始める方法は主に3種類ある

副業で農業を始める方法は主に3種類あります。

副業の農業には様々な形態があり、「週末だけで農業をする」「半農半X」「農業している農家でアルバイト・パートをする」の3つが主に挙げられるからですね。

「週末農業」は農業を気軽に始めたい人におすすめ

「週末農業」とは文字どおり週末だけ農業を行う副業のことです。

「週末農業」は農業を気軽に始めたい人におすすめです。

最初に農地の確保が必要となりますが、「市民農園」「シェア畑」「家庭菜園」の3種類の始め方があり、共通して低コストで始められる特徴があるためですね。

「市民農園」は農具を持って居ない人におすすめ

「市民農園」は農具を持っていない人におすすめです。

小規模農地のレンタルサービスを提供する農園で、月額料金を支払うことで、指定された区画の農地を利用でき、農具を持参せず参加できるためです。

「シェア畑」は農業未経験者におすすめ

「シェア畑」は農業未経験者におすすめです。

農業に関する全面的なサポートが敷かれている小規模農地のレンタルサービスで、農具はもちろん農業に関する資材も貸し出してもらえるからですね。

畑にできる土地を持っているなら「家庭菜園」はコスト面でお得な

畑にできる自分の土地を持っていれば、「家庭菜園」はコスト面では「市民農園」や「シェア畑」よりも抑えられてお得です。

「家庭菜園」は自分の土地で畑を耕し、野菜等を育て収穫するため、継続的な費用を必要としないためですね。

ただし、家庭菜園をはじめる際の資材等は、全て自分で用意しなければなりません。

農業と好きなことを両立させたい人には「半農半X」

「半農半X」とは、自分や家族が必要な食料を農業で自給自足しながら、農業とは別に自分の好きなことで働く副業農業の形態です。

農業と好きなことを両立させたい人には「半農半X」はおすすめです。

「半農半X」の形は様々で、自分で作った米や野菜等を自分で食べる人もいれば、売って収益を得たりと、自分で選択できるからですね。

人間らしい生活を送れるのが魅力として「半農半X」は注目されています。

「農業アルバイト」は利益を心配せず農業のノウハウを学べる

「農業アルバイト」は文字どおり、農家・農業法人でアルバイトすることです。

「農業アルバイト」であれば、利益の心配をせず農業のノウハウを学べます。

なぜなら、アルバイトなことから、給料をもらいながら仕事する中で色々と現場スタッフの方々から指導してもらえるからですね。

インディードなどの求人サイトに、農業アルバイトに関する求人が多く掲載されています。

副業、未経験者OKの求人も多いので、副業で農業をやってみたいという方は、農業のアルバイトやパート求人に応募して、農業を体験するのもおすすめですね。

副業で農業を始めたら補助金制度を利用する

副業で農業を始めた人でも補助金制度は利用できます。

農業人口を守るための様々な就農支援が行われ、補助金制度や凶作・自然災害等による減収への援助等、手厚く保護されているからですね。

新しく農業を始めたい人が利用できる「農業次世代人材投資資金」

新しく農業を始めたい人であれば「農業次世代人材投資資金」も利用できます。

準備型では農業を始める前の最大2年間、年間150万円を給付され、先進農家や農業法人等で研修を受ける場合、所得の保証を得られる制度なためですね。

また、経営開始型では実際に農業を始めてから最大5年間、同じく年間150万円の給付を受ける事も可能です。

参考⇒ 農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金):農林水産省

これから農業を始める人が融資を行う際に利用できる「スーパーL資金」

これから農業を始める人が融資を行うなら「スーパーL資金」が利用できます。

スーパーL資金の融資は、農業経営改善計画を提出して認定農業者になれば、日本政策金融公庫からを受けられますね。

金利が低く、一般でも0.20~0.30パーセントで、最初の5年間は実質無利子となります。

参考⇒ スーパーL資金|日本政策金融公庫

病気やケガで収入が激減してしまった時に利用できる「収入減少影響緩和交付金」

病気やケガで収入が激減した場合は「収入減少影響緩和交付金」を利用できます。

病気やケガで対象農産物の農業者の平均収入額を下回った場合、収入額の9割を保証してくれるためですね。

交付金だけではなく、農業者自身があらかじめ積み立てていた積立金の返納により、収入に補填される場合もあります。

参考⇒ 平成30年産 収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)の支払実績について:農林水産省

農業の副業で稼ぐのは難しい

農業の副業で稼ぐのは難しいと言えるでしょう。

なぜなら、農作物の販売価格はとても安く常に変動し、また維持費用もかかるからです。

副業農家の平均年収は300~400万円ですが、農業の収入が少なく、本業の収入が多いのも主な理由ですね。

この章では、副業で農業をしようと思う方に向け、少しでも稼ぐ方法を解説していきます。

販売方法は「直売所」「JA (農協)」「ネット販売」がある

農業の副業で稼ぐ販売方法は主に「直売所」「JA (農協)」「ネット販売」があります。

農業の副業で稼ぐには「大量生産」か「販売価格を上げる」のもベストですが、現実的には難しく、自分に合う販売方法で稼ぐのがおすすめだからです。

価格設定が可能で少量から販売できるのは「直売所」

「直売所」とは、町にある野菜の直売所や「道の駅」で野菜を直接販売する方法ですね。

利用料や販売価格の一部を支払うことで、場所を借りて販売できる仕組みです。

価格設定が可能で少量から販売するなら「直売所」はおすすめです。

野菜の値段が高い・希少な時は価格を高くできて、また余りそうな時は価格を下げられる等、価格設定ができるメリットがあるためですね。

しかし、売れないと利益が発生しない (直売所の利用料を払う場合は赤字になる) ので、販売前の下調べするのをおすすめします。

また、プロの農家の方も野菜を販売しているので、農作物の状態によっては販売できない事もありますね。

ある程度の戦略を立てて販売するのをおすすめします。

安定した売り上げの見通しを立てやすい「JA (農協)」

農業共同組合であるJAに作物を販売することも可能です。

安定した売り上げの見通しを立たせたいなら「JA (農協)」への販売もおすすめです。

育てた野菜を一定の価格で買い取ってくれるので、売り上げの見通しが立てられるメリットもあるためですね。

また、全国に支店があるので相談もしやすく便利です。

しかし、形や大きさ等の規格が厳しく、買取価格も一定なので大きな収入を得るのは難しいと言えますね。

多くの人の目に留まりやすい「ネット販売」

野菜をネットで販売する方法もあります。

自分でネットショップを作ったり、メルカリなどのフリマアプリ等に出品することで、収益を上げることが可能です。

もっとも多くの人に目に留まる確率があるのは「ネット販売」です。

SNSやブログからの流入も狙え、時間を問わず日本全国の多くの人の目に留まりやすいのがメリットですね。

価格設定もできるので、現地出荷より収入が増える可能性もあります。

しかし、作物は腐るので売れないと収益が出ず赤字になるのと、Webマーケティングの技術や工夫も必要となってきます。

副業農業のおすすめ作物は「手間」「単価」「作付面積」に注目して選ぶ

副業農業のおすすめ作物は「手間」「単価」「作付面積」に注目して選ぶと良いでしょう。

なぜなら、副業で農業をする場合は大量生産が難しく、経営を成功させたい場合は作物の選択が大きなカギになるからですね。

手間がかからないのは「根菜類」

手間がかからないのは「根菜類」です。

根菜類の野菜は「水やりの頻度が少なくて済む」「肥料が少なくて済む」「収穫タイミングが長い」等のメリットがあり、手間を省けるからですね。

例えば「ジャガイモ」「さつまいも」「里芋」「しょうが」「ビーツ」等はおすすめです。

なぜなら、種芋を植えると土の中で育つので、手間がかかりません。

単価が高いのは「ミョウガ」「タラの芽」「アスパラガス」

単価が高いのは「ミョウガ」「タラの芽」「アスパラガス」です。

「ミョウガ」は病気や害虫になる可能性が低く、毎年収穫できます。

ネット販売では、1キロあたり5,000円以上で販売されているものも多く、おすすめですね。

「タラの芽」や「アスパラガス」も単価が高く、栽培にも大きな手間がかからないのでおすすめです。

作付面積が狭くてできるのは「ナス」や「トマト」

レンタル農園では自分の使えるスペースが少ないのに悩んでいる人も多いと思います。

作付面積が狭くてできるのは「ナス」や「トマト」です。

なぜなら、小さな面積でも育てられる作物なためですね。

また、「トマト」や「ナス」等は、1つの苗にいくつかの野菜ができるものもおすすめな点と言えるでしょう。

付加価値の高い珍しい野菜もおすすめ

「近所では手に入らない」付加価値のあるような野菜を選ぶのもおすすめです。

なぜなら、ネット販売の需要もあるため、離れた地域からでも注文入る可能性もあるためですね。

例えば、「黒トマト」「ハロウィンパンプキン」「バースニップ」「アレキサンドラ」等は、副業農業におすすめの珍しい野菜と言えますよ。

副業農業の収入が年間20万円以上の場合は確定申告を

副業で農業をする際、収入が年間20万円以上の場合は確定申告が必要ですね。

雇用される働き方では会社が代わって年末調整をしてくれますが、副業の場合は確定申告を自分で行います。

基本的には所得から、所得税率を掛けて納税額を求めます。(※収入-(経費+仕入れ)=所得)

また、所得区分については、農協やスーパーなどに販売している場合、事業所得に区分されますね。

事業所得は損益通算ができるので、赤字を黒字と相殺可能になります。

住民税は「住民税の徴収方法の選択」から「自分で納付」を選ぶ

確定申告の際、住民税は「住民税の徴収方法の選択」から「自分で納付」の選択をおすすめします。

副業で得た分の住民税の通知が会社や勤務先にいくのを防ぐためですね。

しかし、そもそも「副業禁止」の会社で働いている方は、一度社内の人に相談することをおすすめします。

なぜなら、あくまで会社や勤務先にバレる可能性を低くできるとだけの方法なため、確実性に乏しいからです。

副業で農業をするメリット

副業で農業をすると自然に触れられ、本業の息抜きできるし、週末のみの稼働だけでも作物を育てられるため魅力的ですね。

しかし、もちろん副業でもビジネスとして成功させるためには売り上げを出し、販売戦略を立てることは不可欠です。

では、ビジネスとして副業で農業をするメリットはあるのでしょうか。

自給自足に近い生活が可能

副業で農業をすると、自給自足に近い生活も可能になりますね。

農業は会社のオフィス等の仕事とは違い、人間が生きていく上で必要な「食生活」の一部に成り得るからですね。

うまくいけば自分のこだわりの野菜を作ったり知人に提供することもでき、週末のリフレッシュとして楽しんで取り組めます。

将来スケールを広げられる可能性がある

副業の農業は、将来ビジネスとしてスケールを広げられる可能性も秘めています。

一度軌道に乗せられたら、さらなる投資で大きな農地を手に入れることも可能だからです。

管理人を雇う等の工夫をすれば、ほとんど自分で管理せずとも収入を手に入れられますね。

実際、はじめは副業としての週末農家だったのが、「兼業農家」へスケールアップした例もあります。

参考⇒ 週末農家から兼業農家へ「サラリーマン×農家」【農業二刀流vol.2】

新しい開発や起業がしやすい

副業の農業は、新しい技術開発や起業するのにおすすめの業界と言えます。

農業は古くから存在する産業ですが、日本ではいまだにIT化があまり進んでいないからですね。

多くの農家は現在も経験に基づいた生産管理を行い、農具等も数十年前と比べあまり変化していません。

海外ではアグリテック (Agri-Tech) と呼ばれる農業業界でのIT化が進んでおり、ドローンによる農作物の管理や天候予測等の最先端技術が開発されていますね。

日本では伝統的な産業である農業なので、IT化を含め新しい技術の開発等を行えば、インパクトは大きいでしょう。

副業で農業をするデメリット

副業での農業には魅力的な面もたくさんありますが、安定した収益を上げるまでに時間がかかるのはデメリットと言えますね。

具体的にどんな理由があるのか解説していきますね。

農地や農機具等の初期投資が高い

副業で農業をする際、農地や農機具等の初期投資は高くなってしまいます。

農地や農機具等は高価で、トラクターやコンバイン等は1台数100万円以上かかり、自己資金では厳しい側面があるからですね。

レンタル農園等を利用すれば費用を抑えて農業体験できて、家庭菜園規模であれば小遣い稼ぎとして始められます。

しかし、副業として一定の収入を確保するには、融資を受ける必要もあるのが難しいところですね。

不作になる場合がある

副業で農業をする際に難しいのが、不作になる場合があることです。

天候等の環境的な要因もあるからですね。

台風が来たり、高気温が続くと作物が枯れてしまったり、虫や害獣に食べられ販売できなくなる可能性もあります。

天候のコントロールではできませんが、事前に可能な限り天候情報を集めて対策をとる、害虫・害獣対策をとる等の工夫をしておきましょう。

作物によって時期が決まっている

副業で農業をするデメリットは、作物によって種植えと収穫時期が決まっていることです。

なぜなら、すぐに作りたいと思う作物があったとしても、場合によっては育つまでに何年もかかってしまう場合があるからですね。

すぐに収益を上げたい方には向いていない副業と言えますね。

定期的な時間と作業が必要

副業の農業であっても、定期的な時間と作業が必要になります。

野菜は日に日に成長するので、収穫時期が遅れ大きくなり過ぎてしまうと売り物にならない場合もあるからですね。

また、本業が忙しく定期的に一定の時間が取れない方にはおすすめできません。

定期的に畑に行き「枯れていないか」「水は十分か」「雑草は生えていないか」等、確認する必要があるためです。

まとめ

副業で農業をすることは、会社で働いている人にとってはかなり特殊な仕事と言えますね。

だからこそリフレッシュできるし、初心者で農業を体験してみたい方は、レンタル農園等のサービスを利用すれば、農業を学びながら副業を始められます。

公務員の方も、小規模であれば副業で農業はできますね。

しかし、副業としての農業の収益は時間と労力を考えるとかなり難しく、販売戦略を考えての運営は必要不可欠ですね。

また、野菜をうまく育てることはもちろん、収穫する時期が遅れると売り物にならないこともあるので、本業が忙しすぎる方にはおすすめできません。

単純に収入を得るために副業で農業をすると挫折しやすいので、野菜を育てることや農業の開発に興味がある方におすすめします。

一度、農業体験等を通じて農業とはどのような作業で、何が必要なのか実際に経験し、自分に合っているか確認してから、挑戦してみてはどうでしょうか。

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