本業のほかに副業として「せどり」を検討している方もいるのではないでしょうか。
しかし、「せどりって何?」「会社にバレないか心配」「やり方がわからない」などと、さまざまな疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事ではせどりの基本知識やはじめ方を解説しています。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
せどりとは商品を安く買って高く売る転売ビジネス
「せどり」とは、商品を安く買って高く売る転売ビジネスです。
普段利用しているお店やネットショップ、フリマサイトなどで相場よりも安い商品を仕入れて、仕入れ価格よりも高く売って差額を得ます。
「せどり」と呼ばれる由来は、転売者が古本屋で仕入れるときに背表紙をみて買う本を選んだことといわれています。
せどりは江戸時代から存在するビジネスであり、今も行われている歴史ある商売です。
現代のせどりは、「インターネットショッピング」、「オークションサイト」、「リサイクルショップ」などで仕入れた商品をオンラインで販売するのが主流となります。
また、せどりで販売している商品は「本」だけではなく「家電」や「生活雑貨」「ペット用品」「CD」「フィギュア」など多岐にわたります。
せどりを副業で行うと会社にバレる可能性がある
せどりを副業で行うときに、「会社にバレるかどうか」を心配する人も多いと思います。
この章では、どのようなケースで会社にバレるのかを解説します。
マイナンバーや開業届により副業がバレることはほとんどない
「マイナンバーで副業も含めた収入状況がわかってしまうのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、マイナンバーから副業が会社にバレる可能性は低いです。
なぜなら、マイナンバーは役場などの行政機関の間で情報共有をしやすくするための物だからです。
会社は行政機関じゃないので、マイナンバーを使うことで収入情報を会社が行政に問い合わせることはできません。
行政機関はマイナンバーをもとに個人の収入情報を知ることとは可能ですが、第三者に開示することもありません。
ですので、会社に提出したマイナンバーから副業がバレる心配はないでしょう。
また、税務署に開業届を出して副業をしている場合でも、税務署が会社に「この人は副業をしていますよ」と連絡することも考えにくいです。
開業届を出している場合でも、その情報から会社に副業がバレる心配はありません。
住民税からバレることがある
副業でせどりをしたとき、会社にバレるのは住民税からです。
後述しますが、せどりなどの副業で年間20万円以上の所得があると確定申告が必要となります。
一般的に会社員の方であれば、年末調整により確定申告は不要です。
しかし、給与所得以外の所得があり、年間合計20万円を超える場合は確定申告が必要となっています。
住民税は確定申告をもとにせどりで頑張って稼いだ分と会社からの給料を合算したもので算出します。
その際に会社の担当者が「給与だけの住民税のはずが、なぜ高いんだろう」と、勘づかれてしまい副業がバレる可能性もあります。
とはいえ、住民税を給料から天引きせずに自ら納めるようにすれば、会社にバレないでしょう。
確定申告の書類で住民税に関する事項の「自分で納付」を選び、税務署などの担当者にも「自分で納めます」と念のため告げるようにしましょう。
なお、自ら住民税を納めることは「普通徴収」といいます。
同僚が周りにバラしてしまうことがある
会社に副業していることがバレる原因としては、同僚が会社や周りの人にバラしてしまうことが挙げられます。
同僚が会社や周りに話すのかというと、「あなたが副業で稼いでいること」が誰かに話したくなるぐらい面白かったり、もしくは気に入らなかったりするときですね。
あなたから「周りには絶対ナイショに」と伝えていたにも関わらず、「ここだけの話」がどんどん伝わっていき、最終的には会社側に知られてしまうケースも少なくありません。
副業の成果が出れば出るほど誰かに話したくなる人も多いと思いますが、せどりをしていることは口外しないようにしましょう。
せどりする前に準備物を揃えて流れを覚える
この章では、せどりをする前の準備物と大まかな流れを解説します。
せどりをはじめるのに必要な物は4つ
せどりをはじめるのに必要な物は、「パソコン」「クレジットカード」「プリンター」「梱包資材」の4つです。
WindowsのパソコンであればOK
パソコンは商品の仕入れや出品など、せどりの一連の流れに必要なアイテムとなります。
結論から言うと、WindowsのパソコンであればOKです。
なぜなら、Windowsでしか利用できないせどりツールなども存在するからです。
ノマドワークをしている人の場合、Macのパソコンを愛用している方も多いと思いますが、せどりで利用したいツールによってはWindowsのパソコンを別途購入する必要も出てきますね。
なお、せどりで使うパソコンのスペックについて気になる人も多いと思います。
パソコンの容量を多く使うせどりツールを利用しない場合、特別ハイスペックなパソコンな必要はありません。
クレジットカードは必須
クレジットカードを持っていなくてもせどり自体はできますが、クレジットカードは必須です。
なぜなら、クレジットカードを使うことによる5つのメリットがあるためですね。
- 振込手数料がかからない
- ショッピング時のポイントやマイルが貯まる
- クレジットカードの明細が領収書代わりになって経費計上が楽ちん
- カードの引き落とし日が二ヶ月後なためキャッシュフローはよくなる
- クレジットカードの付帯サービスを使える
おすすめのクレジットカードとしては、「Amazon MasterCard ゴールド」「楽天カード」「YahooJAPAN カード」の3つです。
楽天モール、Amazon、Yahooショッピングで商品購入時にそれぞれ恩恵を受けられるためです。
たとえば、「Amazon MasterCard ゴールド」は簡単に作れるのに、商品購入時の還元率が2.5%となります。
楽天やYahooカードも同じく還元率が高くなるため、仕入れが多いショッピングモールのクレジットカードは必須といえますね。
ラベルシールにインクがにじまずプリントできるプリンター
せどりでプリンターは商品発送時の納品書やラベルなどを印刷するときに使います。
ラベルシールににじまずプリントできるプリンターであればなんでもOKです。
なぜなら、フルフィルメントby Amazon(FBA)で取引を行う際、ラベルシールのバーコードの印刷がにじんでいると、Amazon側が読み込めないためです。
なおプリンターを選ぶコツとしては、常に最新のプリンターが出続けているため、ビックカメラやヨドバシカメラなど、大手家電量販店でおすすめメーカーのプリンターを教えてもらいましょう。
商品購入者に発送する際の梱包資材
せどりで購入者に商品を発送する際には梱包資材が必要です。
「段ボール」「テープ」「カッター」「袋」「プチプチ(エアキャップ)」などをあらかじめ用意しましょう。
何の商品を扱うかで必要なダンボールのサイズも変わってきます。
経費節約のため、ダンボールをスーパーに貰いに行くこともできますが、もらいにいく手間と時間効率を考えると購入したほうが早いですね。
せどりは3ステップで完了
せどりの流れは「仕入れ」「販売」「発送」の3ステップです。
- 仕入れ:ネットショップやリサイクルショップなどで商品を仕入れる
- 販売:出品サイトやオークションサイトなどを利用して販売
- 発送:商品が売れたら発送する
以上の流れを考えると、一般的な商売と同じであることがわかります。
ポイントになるのは、「いかに安く仕入れて高く売るか」ということです。
副業でせどりをするときのおすすめサービス
この章では、副業でせどりをするときのおすすめサービスを紹介します。
発送業務や顧客対応が楽になる「フルフィルメント by Amazon」
商品を販売するときは、Amazonの「FBA(フルフィルメント by Amazon)」がおすすめです。
なぜなら、FBAを活用するとAmazonが以下の業務代行をしてくれるからです。
- 商品保管
- 注文処理
- 配送
- 返品
以上のようにせどりの過程のほとんどをAmazonがサポートしてくれるため、多くの業者が利用しています。
考え方を変えると多くの方がAmazonで商品を購入するとき、販売業者のほとんどがFBAを利用しているといえますね。
ちなみに、商品ページに「〇〇が販売し、Amazon.co.jpが発送します」という表示があると、FBAを利用している業者であることもわかります。
FBAを利用すれば、販売したい商品を用意して登録、配送をAmazonにお願いする場合はFBAに商品を発送する程度の作業で済みます。
商品の選定、リサーチなどに重点を置きたい場合は、FBAを使うと効率的にせどりが進められるでしょう。
しかし、配送をAmazonに依頼すると手数料がかかります。
なかにはFBAに預けられない商品もありますので、事前に確認しておきましょう。
「常温管理できない商品」や「動植物」、「医薬品」などはFBAに預けられません。
フルフィルメント by Amazon(FBA)公式サイトはこちら
新商品の仕入れなら「NETSEA(ネッシー)」
新商品を仕入れたいならば、「NETSEA(ネッシー)」がおすすめです。
なぜなら、「家電」や「雑貨」、「洋服」など幅広いジャンルの商品を卸価格で購入できるからですね。
個人でも利用登録が可能ですので、副業でせどりをする場合でも問題なく利用可能です。
商品情報も詳しく書かれているため、販売時の商品登録にも活かせるでしょう。
無料で登録できますので、仕入先に迷っている際はNETSEAを活用してみてください。
中古品の仕入れなら「メルカリ」や「ラクマ」
フリマで有名な「メルカリ」や「ラクマ」では、中古品の仕入れが可能です。
メルカリは10代~30代を中心に、非常に多くの利用者がいます。
なかでも20代女性の利用者が多いため、若い女性に人気の商品の仕入れに適します。
また、利用者の年齢層が若く、若い世代にどのような商品が人気であるかのリサーチも可能です。
ただし、メルカリは利用者が多いため、購入(仕入れ)するライバルも多いです。
安い商品はすぐに売れてしまいますので、気になる商品のチェックは欠かさず行いましょう。
一方、ラクマはメルカリよりも利用者は少ないです。
主婦層やサラリーマンの利用者が多く、掘り出し物がみつかることもあります。
運営元が楽天であり、商品の購入時の支払いに楽天ポイントが使えます。
楽天のサービスを頻繁に使う方であれば、お得に仕入れることが可能です。
安定の仕入れ先は「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」「Amazon」
安定的な仕入れを考えるならば、「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」「Amazon」といったショッピングサイトがおすすめです。
なぜなら、メルカリやラクマ、ヤフーオークション(ヤフオク)などは、安くていい商品があってもタイミングにより仕入れられないことがあるからです。
しかし、ショッピングサイトであれば安定した仕入れ先となりやすいです。
ショッピングサイトを利用すればポイントも貯まるし、幅広いジャンルの商品の仕入れも可能です。
割引セールやポイントアップのキャンペーン期間を狙うと、さらにお得な販売価格仕入れできるでしょう。
また、季節に応じた商品もピックアップされるので、仕入れる商品のリサーチも同時に行えます。
副業でせどりをしたときの月収は資金による
副業でせどりをしたいと考えたときに、「月収がどれくらいになるのか」も気になるでしょう。
結論からいうと、せどりの月収は資金によります。
その理由をこの章で解説します。
資金に余裕があっても初月は赤字になることもある
せどりは商品を仕入れる必要があるため、スタート時に資金が必要です。
資金が多ければ仕入れ商品も多くなり、収入の増加につながります。
結論から言うと、資金に余裕があって多く仕入れても初月は赤字になる可能性もあります。
なぜならば、仕入れた商品が売れるまで時間がかかるからです。
せどりで販売するには、前述したFBAやヤフーオークションなどを活用します。
ところが、せどりを開始して間もないころは、販売実績が乏しいため売れ行きも悪くなるものです。
出品できる商品ジャンルに制限があれば、さらに売れ行きもゆっくりとなります。
以上のことから、資金に余裕があっても初月は赤字になることが考えられますね。
仕入れた商品が回転し始めれば月収10万円も可能
せどりを始めたころは、思うように稼げないこともあります。
しかし、2カ月目以降は仕入れた商品が回転し始めると月収10万円も可能です。
とはいえ、慣れないうちはできるだけ安い商品を仕入れて、販売個数を増やす戦略がいいでしょう。
中古本などは仕入れ金額が安いので、資金に余裕がない方でも取り組みやすい代わりに利益率は低いです。
いわゆる薄利多売を目指すわけですが、仕入れスキルを高めていくことで月収は伸びていきます。
そして、商品選定のスキルや収入が向上してから高額な商品にシフトしてみてください。
自分が活動できる日数に応じて仕入れ目標を決める
せどりでやみくもに仕入れて販売していては、月収は増えていきません。
結論からいうと、目標月収を決めることが大事です。
なぜなら、仕入れなどの行動計画が明確になるからです。
具体的には、目標月収に対して自分が活動できる日数から仕入れ目標を決めます。
月収5万円が目標ならば、「この商品を○○個仕入れて販売する」と具体的な数値で考えます。
また、1カ月単位ではなく、週単位で仕入れ目標を決めましょう。
本業で時間が確保しにくいときも考えられますので、「今週は10個」「来週は時間があるから30個」など週単位で考えてください。
副業とはいえ、月収を向上させるにはビジネスとして考えることが大事です。
副業でせどりをするときの注意点は6つ
副業でせどりをするときは、以下の6つに注意をしてください。
発送ミスに注意する
せどりで売れた商品を発送する際は発送ミスに注意してください。
なぜなら、誤発送により送ってしまった相手、もともと購入してくれた方に迷惑がかかるからです。
FBAを利用すれば発送ミスは防げますが、オークションサイトなど自分が発送作業をするときは注意が必要です。
正しく発送すれば円滑な取引になるものの、誤発送の場合は返送してもらう手間が発生します。
うまく返送してもらえないと、商品を送る本来の相手に届けられない可能性も出てきます。
自分自身の信頼問題や評価にもつながるため、くれぐれも誤発送には注意が必要ですよ。
仕入れた商品は丁寧に保管する
せどりで中古品を販売するときは、売れるまで自分で使えます。
ただし、仕入れた商品は丁寧に保管するようにしてください。
なぜなら、販売用に仕入れた商品を破損したり傷つけたりする可能性があるからですね。
ゲームやCDなど趣味を楽しめる商品の場合は、購入者が現れるまで楽しむことも可能ですが、あくまでも販売目的の商品ですので大切に取り扱うことが大切です。
破損や欠陥が出てしまうと、不良品になるので販売できなくなります。
初心者は高額な商品の仕入れを控える
高額な商品を仕入れて売れると収入も大きくなるため魅力を感じる人も多いと思います。
結論から言うと、初心者は高額な商品の仕入れを控えましょう。
なぜなら、せどりの仕組みに慣れていない方が高額な商品を扱うのはリスクが高いからです。
リスクとは売れなかったときの「在庫リスク」です。
高額商品を仕入れて売れないと、金銭的な痛手を負います。
また、「せっかく高い金額で買ったのに売れない…」といったように、モチベーションの低下へつながる可能性もあります。
家電などであれば、置き場所に困る可能性もあります。
さまざまなリスクを考えると、初心者がいきなり高額商品を仕入れるのは控えたほうが良いでしょう。
仕入れのためだけに店舗に行かない
「とりあえず店舗を観て回ろう」という理由から、リサイクルショップや家電量販店など、実店舗から仕入れすることもあるでしょう。
結論からいうと、仕入れのためだけに店舗へ行かないようにしてください。
なぜなら、「とりあえず行ってみよう」というレベルでは、無駄なものを買ってしまったりするからです。
「これも売れそう、あれも売れそう」と考えるとついつい、買い込んでしまったりします。
売れない商品まで仕入れてしまい、マイナス収入になるだけじゃなく、ムダな在庫も抱えるハメになりかねません。
また、めぼしい商品がない場合は複数店舗を回ることも考えられます。
何店舗も巡っても商品がみつからないと「せどりの仕入れは大変」「せどりは面倒」と感じる人もいるでしょう。
最終的に継続的に取り組むことができなくなり、途中で諦めてしまいます。
ですから、実店舗を回って仕入れるときは、仕入れる商品を決めてから向かうようにしてください。
もしくは、普段の買い物ついでに「何かないかな」と探してみると、精神的に継続が楽になるでしょう。
中古品を販売するときは「古物商許可証」を必ず取得する
副業とはいえ、せどりを行うときには法的な注意点があります。
古着や中古品などの古物の取り引きをするときやビジネス目的で行う際は、「古物商許可証」の取得が必要です。
仮に古物商許可証がないまま中古品を仕入れて販売すると刑事罰を受けることになります。
古物商の許可は盗品が古物として流通してしまうのを防ぐために設けられたものであり、中古品を販売する際は必要な許可です。
なお、ビジネス目的というのは仕入れがあるかどうかで判断します。
「昔から自分が使っていたもの」「もらったもの」「新品で仕入れた商品」などを販売する際の古物商許可証は不要です。
しかし、古物商許可証の取得が必要かどうかを判断するのが難しい場合もあります。
行政書士などの専門家に相談のうえ、古物商許可証の取得が必要かを検討してみましょう。
年間の所得が20万円を超えたら確定申告をする
副業でせどりをしたときに年間の所得が20万円を超えたら確定申告が必要です。
なお、所得とは収入から必要経費を差し引いたものです。
ですから年間の売上げが50万円であっても、仕入れに35万円かかっていれば所得は15万円となり確定申告は不要になります。
また、年間の所得が20万円ちょうどの場合も確定申告をする必要はありません。
確定申告の対象となる20万円以上の所得には、せどり以外の副業も含まれます。
さまざまな副業をしているときは、所得の計算がしやすいよう領収書をしっかり保管しておきましょう。
まとめ
せどりは商品を仕入れて、仕入値よりも高く売って利益を得るビジネスです。
商品リサーチなどが好きであれば、向いている副業になります。
仕入れた商品が回るようになると、月収も増えていくでしょう。
ただし、古物商許可証や確定申告が必要になる場合があります。
この記事で解説した注意点などをもう一度振り返って、せどりに挑戦してみてください。