テレワーク導入に役立つ助成金/補助金とは?(企業向け)

テレワークとはインターネットなど情報通信技術を使って時間や場所を有効活用し、柔軟に働くことです。

昨今、働き方改革などによりテレワークを導入する、もしくは検討する企業が増えています。

なぜなら、企業、従業員ともにメリットがあるからです。

企業はコスト削減や離職防止などの効果が期待できます。

一方の従業員は、ワークライフバランスの向上や仕事のストレス軽減、育児や介護などと仕事の両立が可能です。

以上ことからテレワークは注目され、導入が進んでいます。

しかし、これからテレワークの導入には環境の整備が必要です。

環境整備には費用がかかり、コストの心配をする方もいるでしょう。

そこで、この記事ではテレワーク導入に役立つ助成金や補助金を紹介します。

助成金や補助金は返済不要ですので、ぜひテレワーク導入に役立てください。

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)<厚生労働省> とは?

時間外労働等改善助成金は厚生労働省が取り扱う助成金です。

テレワークに対応した助成金の種類があるので紹介します。

労働時間改善などでテレワークを導入するときの助成金

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は、長時間労働の改善やワークライフバランスの推進のためにテレワーク実施に取り組む中小企業に支給される助成金です。

労働時間や年次有給休暇など労働者の生活と健康に配慮するために、テレワークを導入する際にもらえます。

4項目に該当する事業者が対象

以下の4項目のすべてに該当する事業主(企業)が支給対象です。

  1. 労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業主である
  2. 次のいずれかに該当する事業主である
    業種 資本または出資額 常時雇用する労働者
    小売業(飲食店を含む) 5000万円以下 50人以下
    サービス業 5000万円以下 100人以下
    卸売業 1億円以下 100人以下
    そのほかの業種 3億円以下 300人以下
  3. テレワークを新規で導入する事業主である、またはテレワークを継続して活用する事業主である(新規導入の場合、試験的に導入している事業主も対象)
    ※過去にこの助成金を受給した事業主は、対象労働者を2倍にすることで2回まで受給可能
  4. 時間外労働の制限、そのほかの労働時間等設定の改善を目的として在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主である

テレワーク導入にあたり、以上の4項目に該当するか確認が必要です。

6項目の取り組みのうち1つ満たすと支給対象

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の支給対象になるには、次の6項目のうち1つ以上を満たすことが必要です。

  1. テレワーク用通信機器導入・運用(パソコン、タブレット、スマートフォンは支給対象外)
  2. 保守サポートの導入
  3. クラウドサービスの導入
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
  6. 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

少々、難しいと感じるかもしれませんがテレワーク導入に関してかかった費用という認識を持ちましょう。

成果目標の達成により支給額が決まる

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の支給は、支給対象となる取り組みにかかった経費の一部を目標達成状況に応じて行われます。

対象経費と助成額は以下をご覧ください。

  • 対象経費
    →謝金、旅費、借損料、会議費、雑役雑務、印刷製本料、備品費、機械装置等購入費、委託費
  • 助成額
    →対象経費の合計額 × 補助率
    (上限を超える場合は上限額)

助成金の上限額は以下になります。

成果目標の達成状況 達成 未達成
補助率 4分の3 2分の1
1人あたりの上限額 20万円 10万円
1企業あたりの上限額 150万円 100万円

※助成金の上限金額は、「1人あたりの上限金額」×「対象労働者」または、「1企業あたりの上限額」の低い方。

また、成果目標の設定があり、評価期間で目標の評価がなされます。

評価目標として以下を目指して実施していきます。

  1. 評価期間に1回以上、対象労働者全員に在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる。
  2. 評価期間に退場者が在宅またはサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を1日以上とする。
  3. 年次有給休暇の種直促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。または、所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。

なお、評価期間は交付決定の日から1〜6ヶ月の間です。(申請者が自ら決定)

申請先はテレワーク相談センター

申請は「時間外労働等改善助成金交付申請書」をそのほかの必要書類とともに、テレワーク相談センターに提出します。

その後、厚生労働省から交付決定通知書が送付される流れです。

交付が決定後は提出した計画にもとづいて取り組みを実施します。

事業実施期間(評価期間)が終わったら、テレワーク相談センターに支給申請すると厚生労働省が支給します。

参考・一部引用:厚生労働省|時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

IT導入補助金 <経済産業省> とは?

IT導入補助金は経済産業省が展開する補助金です。
テレワーク導入にあたり、該当するITツールを取り入れるときは申請を検討しましょう。

課題やニーズに対して柔軟に使える補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者(個人事業主)などがITツールを導入する際の経費の一部に補助金を支給する制度です。

対象となる業種や組織も多岐にわたるため、多くの企業申請できる補助金になります。

補助対象企業は多い

IT導入補助金の対象企業は幅広いです。

業種・組織形態 資本金 従業員
資本金額または出資総額 常勤
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業、情報サービス業、旅館業を除く) 5000万円 100人
小売業 5000万人 50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業
並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

※資本金、授業員規模の一方が上記以下の場合に対象となる(個人事業主を含む)

上記以外にも、医療法人や財団法人、特定非営利活動法人なども対象企業となります。

ほとんどの企業、個人事業主が対象となると考えてもいいでしょう。

補助対象となるものはソフトウェア費など

IT導入補助金の対象となる経費は、ソフトウェア費用や導入関連費用などです。

ただし、費用と認められるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録して認定を受けたツールに限られています。

具体的な品目には以下があります。

  • 車両管理システム(タクシー会社などの配車システム)
  • 情報共有連絡ツール(帳簿や書類作成のIT化)
  • 宿泊予約サイトの一元管理システム(旅館やホテル)
  • 定型業務の自動化ツール(Excel管理を自動化)

なお、IT導入支援事業者やITツールは公式サイトにて検索が可能です。

補助金額は申請区分で異なる

補助金には申請区分があり、A類型とB類型です。

選ぶソフトウェアの個数で区分が異なり、A類型よりもB類型のほうが選定するソフトウェア数が多くなります。

また、それぞれの区分で補助金額の上限と加減も変わってきます。

  • A類型…40万円以上150万円未満
  • B類型…150万円以上450万円未満

※補助率はともに2分の1以下

上記の範囲で補助金をもらうには、事業実施効果報告が1年で1回のペースで必要です。

まずは制度の理解が必要

IT導入補助金の申請は制度の理解から始めてください。

  1. 制度の理解(公式サイトや公募要領から)
  2. IT導入支援事業者とITツールの選定、SECURITY ACTIONへの宣言実施
  3. 交付申請(IT導入支援事業者に相談しながら)
  4. ITツールの発注や契約、支払い
  5. 事業実績報告
  6. 補助金交付手続き
  7. 事業実施効果報告(補助事業者が入力し、IT導入支援事業者が代理提出)

以上のような手順を理解することも必要なため、制度の理解は重要です。

また、IT導入補助金は交付が決定した後にITツールを導入します。

交付決定以前に導入したツールは対象外になるので注意してください。

報告も補助金交付の前後にあるため、IT導入支援事業者と連携しながら進めましょう。

申請は例年、年2回行われ公式サイト内でマイページの登録を行い申請する流れです。

参考・一部引用:IT導入補助金

情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)<総務省> とは?

地域課題を解決するために情報通信技術を導入したいなら、情報通信技術活用事業補助金(地域IoT実装推進事業)を検討しましょう。

この章では、情報通信技術活用事業補助金(地域IoT実装推進事業)について紹介します。

地域創生に取り組むときの補助金

情報通信技術活用事業補助金(地域IoT実装推進事業)は、「地域IoT実装推進事業ロードマップ」の「分野別モデル」の普及や展開を推進する際の経費を補助する制度です。

総務省はIoTなどの利活用による成果を日本の隅々までいきわたらせるために、地域課題につながる生活に身近な分野を中心に「地域IoT実装推進事業ロードマップ」を作成しています。

地域IoT実装推進事業ロードマップは、地域のIoTの実装に取り組む具体的な道筋を提示するものです。

また、生活に身近な分野には以下になります。

  • 教育
  • 医療・介護・福祉
  • 子育て
  • 働き方
  • 防災
  • 農林水産業
  • 地域ビジネス
  • 観光
  • 官民協働サービス
  • スマートシティ

それぞれの分野には「分野別モデル」が定めてあり、教育ならプログラミング教育や教育クラウド・プラットフォームとなっています。

テレワーク関連も働き方の分野別モデルとなっていますので、テレワークに取り組む際も補助対象です。

ちなみに、子育てであれば「子育て支援プラットフォーム」が分野別モデルになっています。

子育て世代の個人の属性に応じた最適な子育て支援事業や情報などを提供するプラットフォームの導入を目指すものです。

それにより子育て経験を持つ地域住民との助け合い、最適な子育て支援ができるような効果を期待しています。

以上のように、地域課題に焦点を当ててIoTを目指す事業に補助されるわけです。

補助対象はほとんどの事業主

補助金支給の対象となるのは多岐にわたり、都道府県や知市町村といった地方自治体も含まれます。

  • 都道府県
  • 市町村
  • 法人格を有する組織
  • 一般財団法人、一般財団法人
  • 公益財団法人、公益社団法人
  • 医療法人
  • そのほか、大臣が適当と認める法人 など

以上のように、法人であれば補助対象になります。

補助対象になる経費は大きく分けて3つ

補助対象になる経費は、「直接経費」「一般管理費」「事業費」の3つです。

詳しい内容は以下になります。

  • 直接経費…物品費、人件費・謝金、旅費、その他(外注費、印刷製本費、通信運搬費、光熱費、会議費、その他諸経費)
  • 一般管理費…直接経費の合計額の10分の1以内
  • 事業費…関節補助業者に交付した補助金

※補助率は事業者により異なる

なお、補助金額には下限や上限は設定されていません。

申請先は総務省の地域通信振興課

申請は総務省の公式サイトから必要書類をダウンロードし、地域通信振興課(総務省)に提出します。

提出書類は企画提案書や資金計画書などです。

公募されている分野別モデルにより、企画提案書の書式が異なるので注意してください。

申請後は交付決定や実績報告

申請後は提出書類をもとに審査があり、通過すると補助金の交付決定となります。

補助金の交付決定がなされたら活動の実績報告を行い、補助金額が決定します。

補助金の支払いは原則として補助金額が決定された後ですが、必要と認められると補助金の交付決定後に概算払いされます。

参考:総務省|令和元年度予算「情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)」に係る採択候補の決定及び追加公募の実施

事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 <東京都> とは?

国だけではなく都道府県が実施する補助金もあります。

この章では東京都の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」を解説します。

感染症拡大防止対策などに対応する助成金

東京都が実施する「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」は、感染症などの拡大や緊急時の企業の事業継続対策として、テレワークを導入する中小企業に対する助成金です。

助成金の名称からもわかるように、緊急な事情で事業継続が困難になった際に利用できる制度になります。

10項目の要件を満たす事業者が助成対象

「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」の対象となるのは、10項目の要件を満たした事業者です。

  1. 常時雇用する労働者が2名以上999名以下で、東京都内に本社や事業所を置く中小企業など
  2. 東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
  3. 東京都税の未納がないこと など

2項目目のように募集時期に応じた内容が入る場合もあります。

なお、「2020TDM推進プロジェクト」とは2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックにおける交通混雑の緩和を目指すプロジェクトになります。

参考:「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」 募集要項

助成対象経費は6項目

助成対象となるのは以下の6項目です。

  1. 都内で実施する助成事業に要する必要最小限の経費のうち、支給決定日以後実績報告時までに支払いを終えた経費
  2. 助成事業に要する支払いが原則として口座振込である経費
  3. 使途、単価、規模等の確認が可能である経費
  4. 他の事業に要した経費と明確に区分できる経費
  5. 財産取得となる場合は、所有権が助成事業者に帰属する経費

上記以外に「支給決定日以降に新たに取り組んだ事業に要した経費」「テレワーク対象者を超える購入や契約は原則できない」「期間による料金設定がある場合(ライセンス契約など)は最長3か月分の申請が可能」といった要件もあります。

具体的な助成対象科目や内容は次のとおりです。

  • 消耗品費:機器等の購入費(パソコン、タブレット端末、モニターなど)
  • 委託費:ネットワーク構築作業、保守費用など
  • 賃借料:機器のリース料
  • 利用料:コミュニケーションツールや管理ツールなどの利用料

以上のように、リモートワーク導入についてかかった費用のほとんどが助成対象となります。

助成金の上限は250万円

「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」の助成金は、250万円が上限です。

助成率は10分の10となりますので、上限金額までならば全額支給されます。

申請先は東京しごと財団

助成金の申請先は、「東京しごと財団 雇用環境整備課 職場環境整備担当係」です。

必要書類を持参、もしくは郵送することになります。

その後、書類をもとに審査が行われて交付の可否が決定されます。

交付が決定したら助成事業を実行して実績報告書の提出、助成金額という流れです。

助成金確定後は請求が必要ですので、忘れないようにしてください。

まとめ

国や地方自治体は、テレワークの導入に補助金や助成金を設けています。

この記事では4つの補助金や助成金を紹介しました。

募集(公募)内容をみると、幅広い事業者を対象としているのがわかります。

ここでの内容を理解して、テレワーク導入に補助金や助成金を役立ててください。

関連記事

正社員でもリモートワークしやすい職種やメリット、デメリット

リモートワークにオススメの便利ツール10選!!

フリーランスでも貰える助成金や補助金とは?種類や申請方法、メリット・デメリットも解説!

在宅ワーカーの93%が悩みを抱えている?在宅ワーク経験者1000人にアンケート調査

在宅ワークは本業にできる?本業におすすめの在宅ワークを紹介

月収5万~10万円以上の在宅ワーカー80名の口コミ!高収入を稼げる在宅ワークを徹底調査